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地域資源を生かしたブランド開発を学ぶ
−地域力連携拠点事業−
静岡県中央会県中央会

静岡県中央会県中央会は、11月2日、静岡市の静岡県水産会館で、地域資源活用セミナーを開いた。

同セミナーは、地域力連携拠点事業の一環として、本県が有する豊富な水産資源を活かした新たなブランド構築のヒントにしようと県漁業協連との共催で実施。水産業関係者ら30人が出席した。

効果大きい農商工連携による地域ブランド戦略

食と農、水産資源を切り口に地域資源型のブランド構築やマーケティング支援などに取り組む、食と農研究所代表の加藤寛昭氏は、
「ブランドの究極の目的は、競合品に対し優位的な差別性をいかにもつかにある」と定義。ブランド確立に必要な要件として、「品質」、「安全・衛生」、「美味しさ」の3つの基準を挙げた。

強いブランドを築くためには、「口コミ・話題づくり、一貫したブランド構想、流行・神話・伝説、豊かな品質・商品力、理念・哲学、そして新鮮さや驚き、感動などをキーワードに、徹底した差別化を図ることが必要」とした上で、「地域に眠る固有の農水産物や景観、気候、歴史、風土などが、付加価値の源泉。地域全体のイメージアップが、ブランド力の向上につながる」と説いた。

農商工連携については、
「農商工連携が目指すのは、一次産業、二次産業、三次産業を掛け合わせた六次産業化であり、産業間の加工過程で付加価値を生みだす仕掛けをつくることだ」と意義付けた。

連携事業の課題にも言及し、一次産業側の課題として、計数管理や栽培品目、労務管理、生産管理などの環境整備、マーケティング力の強化、安全性の確保と安定供給の実現などを挙げ、「企業体としての体制整備が急務だ」とした。一方、商工側は、「農水産物は、天産物であるとの認識をもち、農の特殊性を理解することが強く望まれる」と指摘した。

農商工連携による地域ブランド戦略の効果を、「原料の生産や捕獲から企画・生産・加工、そして販売、アフターサービスに至るまで、一連のバリューチェーン(価値連鎖)が地域内で完結するようになり、地区外に流れていた付加価値が地元に戻り、蓄積されるようになる」と強調した。

積極的な支援施策の活用を

事例を交え説く加藤氏(左)と田中氏

中小企業基盤整備機構で農商工連携支援を手がける田中敏夫プロジェクトマネージャーは、県内の水産資源に関連する異業種連携に触れ、
「マグロに含まれるコラーゲンや尾の身など未利用資源の活用、うなぎのブランド化に代表される生産履歴の明確化、金目鯛や養殖ブリなど新たな魚種の特長を活かした需要拡大、アジの干物の新しい食べ方などの新規用途開拓による需要拡大といった新たな動きが活発だ」と事例を紹介した。

次いで地域資源活用促進法や農商工等連携促進法の認定手続きや支援施策など、地域資源を活用するための支援施策の概要を説明。積極的な活用を勧めた。