特集

第53回中小企業団体静岡県大会
活かせ!地域資源 〜組合の力でビジネスチャンスを〜

平成18年度中央会支援指針の経過報告

昨年度の中小企業団体静岡県大会「新たな連携を目指して!組合新時代を拓く」で提示した新事業活動促進法への取組方針に基づき中央会では様々な取組みを行った。

経営革新

中央会は、平成19年度より静岡県から地域中小企業支援センターとして指定を受け、経営革新計画承認申請の申請窓口となり、会員組合や組合員企業の経営革新計画の作成支援から申請受付まで一貫したサービスを実施。

静岡・浜松・沼津の各拠点に配置された中小企業診断士を中心に支援体制を築き申請希望企業の対応を行っている。

県では、平成19年度の承認件数の目標を250件に置いている。中央会では、地域中小企業支援センターとして、平成19年度は企業・組合で20件以上の承認を目標に支援を実施、9月末現在で12企業の承認を得た。

また、経営革新計画の作成に必要な専門家・コンサルタントの派遣事業も実施している。

組合・地元金融機関・政府系金融機関・コンサルタント等とのネットワークを活かし、今後も承認申請企業の掘り起こし・支援に力を入れていく。

地域資源活用における組合と中央会の役割イメージ図

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新連携

新連携への取組みでは、「企業組合ヒーバックシステム」がコア企業となり開発した「エージングテストシステム」が、平成19年6月、関東経済産業局の新連携事業認定を受けた。

企業組合による新連携事業の認定は、全国でも初のケースである。

同システムは、液晶などの電子デバイスが超低温(−40℃)または超高温(+120℃)の環境下に対応できるかを自動検査するシステム。空調設備工事を手掛ける企業組合ヒーバックシステムが核となり、搬送機械製造業者、搬送機械設計業者と組み、同システムを開発した。

事業推進には、中央会などがコーディネーターとして全面的なバックアップを行った。また、金融支援は、商工中金静岡支店が運転資金等を低利の制度融資にて貸し付ける。市場化に向けては、新連携対策補助金を申請し、来年2月に開催されるエレクトロニクス検査・分析技術展に出展するほか、市場調査などを実施していく。

企業組合ヒーバックシステムにおける新連携事業スキーム図

関連リンク

企業組合ヒーバックシステム

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創業

創業のアイテムまたコミュニティービジネスの担い手として、企業組合の活用が注目されている。

平成19年6月、南伊豆町妻良地区の郵便職員OBなど4人が「企業組合ポスト妻良」を設立。

南伊豆町が財政難のため郵政民営化後の「受託打ち切り」を表明していた妻良簡易郵便局の運営を引き継いだ。企業組合による簡易郵便局運営は全国で初の試みである。

身近な金融機関として年金の受給窓口でもある簡易郵便局の閉鎖は高齢者の多い同地区では深刻な問題である。過疎地域での簡易郵便局の閉鎖が相次ぐ中、高齢者の多い過疎漁村での企業組合ポスト妻良の存在意義は大きい。

このほか平成18年度には、2つの企業組合が設立された。

「富士山癒し水企業組合」は、化粧品の企画や製造、販売の知識をもつ個人4人が設立。東洋一の名水の誉れ高い柿田川湧水の源、富士山の伏流水を利用した完全無添加化粧水「富士山百水・癒し水」の開発に成功。化粧品メーカーに製造委託し、販売に乗り出している。

「セルフプロト企業組合」は、元大手住宅メーカー社員ら4人が設立。地震や台風、水害、火災などの災害に備え、貴重品や防災用品を収納する耐火・耐水性に優れる救急防災箱「ライフポスト」を開発、商品化を進めている。