特 集 
 多士済済 
 視 点 
 ネットワーク 
 編集室便り 



新支店長に聞く

全国網活かし
新連携の半数近くに参画

―ところで、昨今の中小企業から、どんなところに明るさを感じますか。
小林 先ほど申し上げたとおり、輸送機器関連産業などが牽引役となって、全体としても中小企業の景気は上向いています。ただし、個々の企業、個々の業種に目を向けると実に様々な状態におかれています。
 例えば、景気の波に乗り増収・増益の企業がある一方で、デフレに伴う売上減少が続き、更なるリストラに迫られている企業もみられます。また、本業の不振を新事業への進出や経営革新により打破しようとする企業や不採算部門の切り離し等により企業再生に取り組んでいる企業など、まさに様々です。そのなかで心配なのは原油価格の上昇で、今後、幅広い産業に重大な影響を与える可能性があるため、注意が必要です。当金庫としましても、こうした様々な経営状況に置かれたお取引先一件一件に目を向けていかなければと考えます。
―では、商工中金の独自性とは
 先ほど、様々な経営状況に置かれている企業が混在していると申し上げましたが、当金庫にはこうしたお客様の多様なニーズに幅広くお応えできる金融機関であることをめざしています。
 そうした中で、あらゆるサービスをワンストップでお届けする「ワンストップ・プラットフォーム」としての役割こそが、商工中金の特徴であり強みであると考えております。中小企業の持続的成長を支援するため、長期的な視点で総合的な金融サービスを安定的に提供して参りたいと思います。前向きの運転資金・設備資金はもちろん、セーフティネット資金や創業・革新・再生など各段階において支援する資金など、必要とされる融資に取り組んでいます。もちろん、私どもは協同組織をベースとする金融機関ですので、組合の事業を支援するための資金の融資にも引き続き積極的に取り組んで参ります。          
 さらに、CLO(ローン担保証券)や売掛債権担保融資保証制度など、新たな金融手法の導入にも力を入れていきます。お客様のニーズは本当に様々でどんどん変化していきますので、我々も日々勉強していかなければなりません。
―新事業活動促進法への支援も大変な実績を残されているようですね。  
小林 お客様のお話を伺っていますと、多くの企業で新規事業の検討を進めておられます。私どもは、そうした構想を経営革新や新連携事業などに組み立てるお手伝いをし、経営改善のお役に立てるよう努力しています。
 全国ベースでみると、今年、施行された新連携については、八月十五日時点で認定されたプロジェクト五一件のうち、半数近い二四件に支援金融機関として参画させていただいております。全国の支店網を通じて各地域の戦略会議事務局と連携させていただいた成果だと思います。
―最後に、支店長の趣味をお聞かせ下さい。
小林 歴史小説の大ファンです。司馬遼太郎、藤沢周平とか。その関係で史跡めぐりも大好きです。前任地の山形では、藤沢周平の小説の舞台を楽しみましたので、今後は司馬遼太郎の「街道を行く」の舞台めぐりを夢見ています。県西部でも、浜松城跡や掛川城など、これからじっくりと楽しみたいですね。



中小企業静岡(2005年10月号No.623)