個人が一人一人の知識や技能を持ち寄り、一つの企業体として事業を行う企業組合。小規模な事業者が経営規模の適正化を図ったり、自らの働く場を確保することを目的に、現在県内で約三〇の組合が活動している。
企業組合静岡機械製作所もそのひとつ。製茶機械などの製造販売を行っている。県内で唯一、企業組合として運営される機械メーカーである。
設立は昭和二八年。この年、現在理事長を務める磯谷恵一氏が、静電気を利用した茶葉の選別機を開発。
「これを事業化しようと、県の商工部や商工中金に相談したところ、企業組合制度を紹介されたんです」(磯谷理事長)
当時は第二次大戦後の復興期。復員してきた人たちと一緒に事業を起すことを考えていた磯谷理事長にとって、企業組合は都合のよい制度だった。
こうし十四名の組合員によって組合を設立。工場と組合事務所の建設には、昭和三〇年から高度化資金を利用するなど、組合としてのメリットを活かしながら事業を行ってきた。
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