中央会では、沼津市と浜松市に事務所を設置し、それぞれ十一人の職員が勤務している。
便宜上、富士川以東を東部地区、大井川以西を西部地区とすると、東部には三三八組合、西部では三九九組合が活動していることになる(平成八年一月現在)。
“スモール中央会”として、地域に密着しながら、広範囲な事業を展開する東西事務所。
今回の特集では、こうした両事務所の活動を、山口沼津事務所長と熊切浜松事務所長のインタビューの中で紹介しながら、今起る東西の“風”に触れてみることにする。
時代とともに周辺の状況も変化
― 浜松事務所は昭和四三年に開設。
来年で三〇周年を迎えられますね。
熊切 そうですね。開設当時は、職員も二人。確か信用保証協会さんに“間借り”していたと聞いています。
私は、昨年四月に浜松事務所長に就任しました。二三年ぶりに浜松でお世話になることになったわけですが、事務所の周辺も変わりましたね。区画整理が進み、大きく変貌しつつあります。事務所は、工事現場の真っ直中にあるといった具合で、来所される方には、ご不便をおかけしているところです。
― どんなご相談が多いのですか?
熊切 この一年を振り返ると、特に『高度化事業』に関するご相談が多い、という印象が強いですね。
中でも、リサイクル施設など環境問題に関するお話が多かったように思います。
ご承知のとおり、こうした問題は、地元住民とのコンセンサスづくりが重要なカギを握ります。必要なことは分かっていても、総論賛成・各論反対というのが、地元の方々の偽らざる心境なのではないでしょうか。
高度化全般にわたっていえるんですが、いかに地域と協調しあいながら事業を進めるかといった点が、従来にもまして重要になりつつあるんじゃないでしょうか。
― 沼津事務所は、四四年に開設され浜松と同じく職員二人からスタートしたと聞いていますが…
山口 そのとおりです。現在は職員も男子九人、女子二人の十一人で事業を行っています。
私自身は、沼津事務所長として五年目になるわけですが、中堅クラスの職員が入れ替わりで長期(一年間)の研修に出たために、このうち三年間は、十人体制で仕事をしてきました。
八年度も“十人体制”で仕事をしてきたために、スタートダッシュには気を使いました。この一年、特に若い職員は苦労も多かったと思いますが、全員で補い合いながら、前向きな気持ちで取り組んできたことが、若手の成長につながったと感じています。
― 東部地区の産業界の状況はいかがですか?
山口 製造業では、下請関連の企業が厳しいですね。でも、その会社独自の技術や能力をもった“オンリーワン”企業は伸びています。
一年間を振り返ると、東部地区では、どちらかというと商業関係のほうが厳しい状況にあったんじゃないかと思います。
東部は”東京圏”にあるということもあって、人が外へ流れやすい。沼津駅の高架化など、いくつかの具体的検討課題も含めて、沼津は街そのものの魅力を底上げしていく必要がありますね。 |