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静岡本山茶発祥の地でしずおか地域資源開発シンポジウムを開催

会場の大川交流センターには、地元の中学生を含み
100人を超える参加者がつめかけた。

静岡県中央会は、3月4日、静岡市葵区日向の大川交流センターで「しずおか地域資源開発シンポジウム」を開催した。

同シンポジウムは、本会が昨年度、中小企業基盤整備機構の「地域資源活用企業化コーディネート活動等支援事業」の採択を受け、その一環として実施。同事業を通じ、静岡市の地域資源である茶とマグロを核に新たな滞在体験型観光・サービスを創出するため、業界や行政、専門家らによる「しずおか地域資源活用研究会」を発足させ、様々な取組みを行っている。

会場のある栃沢地区は、静岡本山茶の始祖と伝えられ、京都・東福寺開祖の聖一国師の生誕地。しかし、その名や功績が、市民に浸透しているとは言い難いため、国師の功績や静岡茶の歴史を見つめ直すことで本山茶の新たな力を掘り起こそうと企画した。

会場には、地元の中学生を含む地域住民や茶業関係者、行政担当者など100人を超える参加者がつめかけた。

シンポジウムは二部構成で、第一部では、東福寺の永井慶洲老師が、「茶祖 聖一国師が残した功績」と題する基調講演を行った。

建仁二(1202)年、駿河国安部郡栃沢のいまも続く米沢家に生まれた聖一国師は、5歳で久能山に修行するなど、幼少時から神童として知られた。

34歳のとき、宋に渡り、「径山(きんざん)茶」で有名な径山の万寿禅寺で6年間、修行を積んだ。帰国の際、径山茶の種子を持ち帰り、生地栃沢に植えた。これが静岡茶の起源といわれる。寛元四(1243)年には、京都五山のひとつで都最大の伽藍をもつ東福寺の開山に迎えられた。79歳で逝去。花園天皇から禅僧では初となる賜号「聖一国師」が贈られた。

国師は、お茶のほかソバや饅頭、人形などをわが国に伝え、日本の産業や文化の進歩に大きく貢献。こうした偉大な先人の礎に感謝し、活かすのが今を生きる我々の責務である。