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指導員の現場から
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指定管理者制度で 「官」から「民」への流れ加速
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公募の動き活発
「民間にできることは、できるだけ委ねる」。平成十五年六月、公の施設の管理運営について、民間事業者でも受託できるよう「地方自治法」が改正され、指定管理者制度が導入された。
本県でも多くの自治体で導入が進められる中、静岡市では現在、指定管理者により運営されている九施設に加え、平成十八年度には八九施設が指定管理者制度を導入することを決定。うち十九施設については公募を開始するなどその動きが活発になっている。
横浜市では、従来から施設の建築設計・工事監理業務を協同組合など民間に委託する方式を採用し、積極的な民活導入を図っていた。しかし競争性、透明性の面から発注方式の見直しや指定管理者制度の開始により、従来の委託形式維持が困難となり、地元協同組合・中小建設業への受注減少が懸念された。
こうした状況に危機感をもった市内の中小業者は、公共建築物の維持保全に取り組む七協同組合を核に建物管理、ビルメン業者、さらには神奈川県中央会を含め十二団体で、NPO法人を立ち上げ、市営住宅の指定管理者獲得へ動いた。残念ながら最終審査まで残ったものの、東京の大手不動産会社が選ばれ、指定管理者の受託は叶わなかった。しかし、三年後の再募集に向け準備を進めるとともに、新たな事業への取り組みを見出す契機となるなど、組織には業種を超えた連携の芽が着実に育っている。
一方、福島県では、公共工事の大幅な減少や過当競争に危機感を募らせた県建設産業団体連合会が音頭をとり、「R産業(リデュース、リユース、リサイクル)」参入や高齢者・障害者にやさしい住環境づくりなど循環型社会の創造を目的としたNPO法人を設立。県営団地の指定管理者受託のため徹底した調査を実施し、指定管理者に応募した。その結果、住宅管理の実績はないものの、その管理能力の高さが評価され、大手を含む十二団体が応募した県営団地の管理者に見事選定された。
情報収集力が大きな決め手
横浜と福島の両者に共通するのは、徹底した情報収集力である。
指定管理者の公募期間は、概ね一ヶ月と短いため、公募前に自治体の基本方針の確認、選定方法や基準、既存の管理受託者の取扱い、提案の自由度、公表から提案締切りまでの期間、自治体が想定するコストの把握などあらゆる情報の早期入手が必要であり、情報収集力が大きな決め手となる。
また提出する事業計画書は、詳細業務の検証、業務改善・工夫、年間・月間計画、下請・施工業者、人員配置や採用、勤務体制など想定可能なあらゆる要素を盛り込み、施設効用の最大化の視点で作成し、コストの縮減と実情に即したプランの提示が必要となる。さらに審査では、ツボを得たプレゼンテーション能力も要求される。
これらを限られた時間で行うには、莫大な労力とカネが必要となる。しかし、新たなビジネスチャンスであることに加え、組織のあり方を問い直す絶好の機会でもある。労苦を厭わず、是非多くの組合で積極的に取り組んで頂きたいと思う。
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(住川)
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