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特 集
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誰でもわかる決算書の読み方
―犯罪捜査の視点から―
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静岡県警本部初の『財務捜査官』として10年の勤務を経たのち、静岡市に会計事務所を開設。大手監査法人や警察官として培った経験を中小企業の経営向上に役立てようと、経営コンサルタントとしての腕を磨く。今回は、決算書の見方を犯罪捜査の視点から解説する。
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『決算書が分かる本』で分かる?
書店に行くと、数限りなく『決算書の見方』とか『決算書が分かる』といった類の本が並んでいます。世の中には「決算書が読めるようになりたい」と思っている人が随分いるんだなあ、と感心します。
しかし、読んで直ぐ決算書が分かる本が本当にあるのかというと、これは正直?です。こんなに『決算書の見方』という本が売られているということは、どの本を読んでも分からないからに違いありません。
こうした本、大体最初の十ページくらいで読むのが嫌になります。どの本も(身の毛もよだつ)簿記特有の用語の説明から始まるからです。この用語の説明をしないで会社経理を説こうとした本もいくつか出ていますが、『稲盛和夫の実学』を除いて、正直、成功した事例は無いのではないかと思います。決算書というのは会社の「写像」、言い換えれば会社を映す鏡であり、会社経営の「あれやこれや」のかなりの部分は決算書に反映されます。これが身にしみて分かっていれば、決算書を「読む」ことができるようになりますし、実は決算書を読むことが面白くてたまらなくなるのです。
犯罪の多くは金が絡んでいます。特に私の担当していた経済事犯では決算書をどう読むかが犯罪の立証に直結していました。
今回はそんな私の体験の中から、皆さんが「決算書を読む」際に役に立つお話をしようと思います。
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