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旅行をベースに新業を


組合は浜松市内の旅行業者四社と企画会社一社で構成されている。
 一般的な組合とこの組合が違うのは、本業とする旅行業の顧客拡大を組合事業に求めたのではなく、ブライダル産業という新規の事業を組合で創業したことにある。といっても旅行とブライダルはまったく縁のないものではなく、結婚式とハネムーン旅行は対の関係にある。したがって、その新業は旅行業者としてのノウハウの延長線上にあるといっていい。
 「海外挙式は二〇〇〇年には、六万人規模になると予想されています。実際、この浜松地域だけでも年間四千組の挙式の内、四八〇組が海外で式をあげているんです」と語るのは、組合のブライダルコーディネーターとして式の相談に当たる朝倉千春さん。常に笑みを絶やさない。
 相談の内容というのも、式の演出・企画は無論のこと披露宴席次、案内状のアドバイス、作成など至れり尽くせりといえる。
 「良い企画で売りたいというのはあります。それ以上に、皆で喜びを共有してもらうというのが、私たちの喜びでもあるんです」(田代理事長)
 組合が設立された昨年は、二〇組程度の挙式の企画を手がけた。いずれも楽しさ満載の式で好評であったという。
 たとえば、冒頭の船上結婚式、洒落たレストランでの挙式、二人で仕込んだ地ビールを出席者全員で味わうという趣向のもの。その時は、二人で仕込んでいる姿の写真も見せる演出で会場を盛り上げる。
 「従来の式は、高い、ありきたり、マンネリという傾向があったんです。
私たちは無駄を省き、低価格に押さえるようにしたい」(同)と語る。






▲(右)新しいスタイルの結婚式を提案する田代幸三理事長。
 (左)ブライダルコーディネーターとして活躍する朝倉千春さん。


ギャラリーファンタジア29の開設

 組合事務所は今年六月、浜松市内中心部に組合拠点を開設した。
 「ギャラリーファンタジア29」である。
 聞くところによれば、「新生活を始める人に」のコンセプトで洒落たアクセサリー、小間物などを置いてある。明るい洒落た雰囲気で「二人の出会いの場所」(同理事長)にしたいと言う。
 「設立三年で拠点づくりをしたいと考えていたが、一年でやれた。今後は軌道に乗せるようにしたい」(同)。
 前年比五〇%増の挙式に伸ばしたいと胸の内を語るが、何よりも営業本意でなく、当人にとっては人生最大のエポックでもある結婚式を自らの喜びでもあるというその姿勢から、その目標はすでに見えているような気がする。
 今後の成長を期待したい。


中小企業静岡(1999年 10月号 No.551)