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▲電気工事士受験準備研修(技能)より

いくつかの難局を乗り越え


 現在の組合の姿を簡単に紹介すると、組合員数、一五三名、出資金四、五九〇万円。主な事業は、安全作業講習、技術研修などの教育情報事業、労働保険の事務代行事業そして作業服などの共同購入事業である。年間事業費は賦課金収入を含めると約一、九〇〇万円にのぼる。
 電気工事業界も戦後幾度か景気不景気の波に翻弄された。設立当時、組合員数はわずか二五名であったという。
 「この当時の家庭といえば、裸電球が二本か三本あればいいという時代ですよね。それが高度成長時代に家電製品が普及しはじめると、コンセントや配電の必要が生まれてきた。我々業界の黄金期でもあったんです」(同)。その後は企業の設備投資、住宅需要の拡大、公共工事の拡大など電気工事業界にとっては追い風が吹き続けた。組合員数も拡大の一途を続けてきた。
 しかし、現在は厳しい環境に置かれている。組合員数も脱退、廃業で減少傾向を見せている。
 電気工事業というのは、簡単にいえば電力供給業者である会社( たとえば中部電力など)の委託を受け一般家庭、企業の電気配電工事を行うことをいう。具体的にいえば、新築家屋の配電工事を行い、施主に代わって電気供給業者に届出をおこなうのが、電気工事業者である。それが終了して電気が家庭に供給されることになる。企業の場合もこれと同じである。
 「近年、その届出が減少しているんです。住宅着工の減少、企業の設備投資、そして公共工事の減少など厳しい状況が続いているんです」(同)と苦しい胸の内を語る。また、業者間でのダンピング競争も熾烈を極めているともいう。
 とはいえ、厳しい局面ばかりではない。近年のコンピュータに代表される通信情報革新はこの業界にも良い効果で波及している。
 「企業や家庭の情報化に伴う配電工事が増えているのも事実。組合の研修事業でもデジタル化に対応した研修に力を入れている」(同)という。

青年部強化を急ぐ

 「これからもこの業界は、難局には直面するかもしれないが、必ず乗り切ると確信している。組合の役割は、手を携えての話合いの場であることだと思う。また、青年部活動を更に強化したいと考えている。二世をいかに育ててい




▲青年部への期待を語る原田理事長。

くか、それを手がけないと業界が衰退していってしまう」(同)と語る。
 現在は青年部組織を各地区ごとの自主的な若手グループの活動に反映させている状況にある。実はシンボルマーク作成のきっかけも、焼津地区の若者で結成されているYEC(焼津電気工事業クラブ)の発案だったという。これらの若い力を各地区の発想を活かしつつも、横のつながりを強化しながら組合としてよりバックアップし、優秀な経営者、明日を創る技術者集団として育てていきたい考えだ。
 組合の五〇周年記念誌のタイトルは「光翔」(こうしょう)と名づけた。電気工事の光が大きくはばたくという意味である。二世の組織強化はそれを引き継ぐ意味でも大きな期待が寄せられる。


中小企業静岡(1999年 8月号 No.549)