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漆器の魅力再発見!
 
「ぬりものまつり」を開催

                    
静岡漆器工業(協)

   
  ▲体験コーナーでは、組合員が懇切丁寧に指導。
入場者は二日間で二千八百人に及んだ。


 「ジャパン」と称され、かつては東洋を代表する工芸品として名声を博していた漆器。美術品、伝統工芸品としてだけでなく、盆、膳、食器などの生活必需品としてまで、その利用範囲は広い。
 しかし、日本人の生活に溶け込み、また、その魅力を発揮してきた漆器も生活様式の洋風化やプラスチック製品の進出に伴い、需要は伸び悩んでいる。
 このような折、漆器の魅力を見直してもらおうと、静岡漆器工業(協)では、十一月二一日、二二日の二日間にわたり、静岡市の青葉イベント広場で漆器の格安販売、塗り物体験、塗り物相談を行う「ぬりものまつり」を開催した。
 特に漆塗りのキーホルダーやペンダントに、細かく砕いた卵の殻や貝殻を貼り付けて楽しむぬりもの体験コーナーが人気で、ピンセットを慎重に操り、チョウや花の模様を作る家族連れでにぎわった。
 相談コーナーでは漆器の修理、手入れ方法などを組合員が丁寧に説明し、漆器愛好者が熱心に話を聞いていた。

▲会場となった青葉イベント広場。


 静岡市の漆器製造業者を中心に昭和三五年に設立した当組合の組合員も当初の一二〇名から現在は二〇人にまで減少。しかも、そのほとんどが後継者不足に悩んでいるのが実状だという。
 こうした催しは、漆器の魅力を広くPRするとともに、日頃消費者との接点が少なくなりがちな組合員が消費者との交流を通してニーズを把握し、新しい独自作品を生み出すための研修の場としての役割も果たしている。
 最近では、長野冬季オリンピックのメダルに漆塗りが採用されたのが記憶に新しいが、組合員からも柄に漆と二四金をあしらったワイングラス、漆の光沢を活かした洋菓子皿など伝統工芸の良さを活かしながら現代生活のあった新しい息吹を感じさせる作品が多く生み出されている。


中小企業静岡(1999年 1月号 No.542)