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クローズアップインタビュー

産業振興功労表彰を受賞 組合員の意識高める仕掛け、次々と

協同組合小糸製作所協力会
水野一保 理事長

10月2日に開催された第55回中小企業団体静岡県大会の席上で、栄えある産業振興功労表彰を受賞した。

自動車用ヘッドランプで世界的に有名な(株)小糸製作所。その協力業者77社で組織される組合の理事を10年、副理事長を6年にわたり務め、平成18年、理事長に推された。いわば満を持してのトップ就任だ。

理事就任から20年近く力を注ぐのが、共同物流事業の拡充である。

「1日1回だった納入回数が2回、4回と多回化し、納入先の工場も県内5ヵ所に拡大、分散化してきたため、個々での対応が難しい状況になった。そこで組合一丸となって効率化、合理化を図ろう、と提案したのがきっかけ」と振り返る。

組合では、平成4年に物流効率化法の認定を受け、物流センターの設置や多頻度小ロット納入システムを構築。全国トップクラスの物流マネージメントを築き上げた。その旗振り役だ。

共同物流事業という確固たる事業の柱に加え、注力するのが環境対策や教育研修などのソフト事業。

「自動車産業の一端を担う我々には、環境に対する責任があります。今後、生き残っていくためには、環境経営という考えを取り入れて、企業の社会的責任をしっかり果たすことが必要」と組合を挙げて、環境認証制度であるエコアクション21の取得活動に取り組み、組合事務局を含む多くの組合員が取得中で、大きな成果を挙げつつある。

さらに「原点に戻ってもう一度“ものづくり”とは何かを見つめなおしたい」と従業員を対象に“ものづくり教育”や“品質教育”などの講座を次々に企画。組合員の意識を高めるための仕掛けづくりに余念がない。

代表取締役を務める(株)ミズノテックは、大正14年に祖父が清水で創業。創立84年を迎える老舗だ。

「もとは農機具の製造を手がける鍛冶屋。小さい頃から、燃料のコークスの臭いや“トンテンチン”という金槌の音に囲まれて育ち、高校時代の休日は、もっぱら家業の手伝い。友人の遊ぶ姿が羨ましかった」と懐かしむ。

大学卒業後、迷わず入社。昭和48年には藤枝工業団地に進出。団地組合の理事長も3期6年務めた。

「ちょうど10年前、団地組合が設立30周年を迎えたときの理事長が私。今年で小糸協力会も30年。何か縁を感じますね」。

ゴルフ、庭いじり、旅行、バイクと多趣味だが、中でも1300ccの大型バイクを駆ってのツーリングは、最高の息抜き。

「最近、家内から危ないので控えて、と言われるので、なかなか遠出できなくて」と少し寂しそうだ。