静岡県中小企業団体中央会Shizuoka Prefectural Federation of Small Business Associations. |
昭和43年10月1日 |
CHUOKAI MONTHLY 2009 November No.672 “メイド・イン・しずおか”
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鈴木代表とおそろい“SunFlower” Tシャツを着る長男絃くん、次男唱くん(左)。 |
「介護を必要とするこどもたち、そして、その家族を応援したい。“あったらいいな”、“こうだったらもっといいのに”。そんな声をかたちにしました」。
浜松市で、障害をもつこども向けの洋服や下着などを企画販売するSunflower(サンフラワー)の鈴木昭彦代表は、同社のコンセプトをこう表現する。
鈴木代表の長男絃くん(9歳)は、水頭症による脳性麻痺という重度の障害をもつ。
3年前に創業した同社の商品は、絃くんとの生活や同じような立場にある親たちとの会話の中から生まれたものばかり。
実際に使う側の視点に立った細かな配慮がふんだんに取り入れられている。
「こどもの成長にしたがい、抱えおこして服を着せたり、脱がせたりする介護側の負担も大きくなります。そこで、肩や股にホックやファスナーをつけ、全開状態になるようにしました。これで抱え起こすことなく、下着の上に寝かせたまま服を着せることができます」と独自の工夫を取り入れた。
ファスナー部分は、直接体に触れないようあて布をし、ヘッド部分は極力小さいものを使用するなど、自らの経験や使う側の声を活かし、改良を重ねた。
また、一般に流通する障害をもつこども用のサイズの多くが110センチメートル止まりであることから、120センチメートル〜140センチメートルサイズを用意。サイズにも幅をもたせた。
さらに、家族みんなで楽しめる“SunFlowerFamily”やセミオーダータイプの“SunFlowerFriends”など多彩なラインナップを揃え、ファッション性も高い。
“SunFlower Family”のキャップ。3色を用意。 |
この秋発売のSDシリーズは企画から縫製まで全て静岡で行う“メイド・イン・しずおか”。 |
この秋、企画や縫製など全ての工程を静岡で行う“メイド・イン・しずおか”を実現した新たな商品群=SDシリーズが誕生した。SDとは、“サンフラワースタンダード”と“静岡デザイン”を意味する。
「従来の商品は、肢体が不自由なこども用に特化し、機能が盛りだくさんでした。しかし、障害の有無に関係なく誰もが着やすいように、機能を最低限にとどめたのが、SDシリーズです」。
だが、品質へのこだわりに妥協はない。
通気性や吸汗性、保温性に優れた厚手の素材を使用。“着やすい、着させやすい”を追求し、金属製のファスナーやホックの替わりに面ファスナーを採用するなど、快適性や安全性もさらに向上した。
アウター(外着)としても着こなせるおしゃれなデザインは、病衣のイメージを払拭。こどもの成長に合わせ150センチメートルまでサイズを拡大した。
こうした点が高く評価され、今年度のグッドデザインしずおかのユニバーサルデザイン賞を受賞した。
「現在、SDシリーズは、下着類のみの5タイプ10種類ですが、スカートやズボン、Tシャツも企画中。これからも、こどもはもちろん、わたしたち親にとっても機能的で、優しく、おしゃれな服づくりを続けていきます」と鈴木代表は先を見据える。
中小企業静岡(2009年11月号 No.672) |
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