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くみあい百景



我々の生活の中で、GISは既に活用されている

 平成十三年、政府が発表したe―Japan計画でインターネットを通じた地理情報等の流通利用の仕組み、構築が始めて盛り込まれた。この運用システムがGIS(GeographicInformationSystem)である。
 竜野輝夫理事長は説明する。「GISが活用されている身近な例は、目的の場所を設定すれば音声で道案内してくれるカーナビゲーションや高速道路料金所等での自動支払いを可能にするETC等がある。どちらも我々の交通関連での悩みを解決してくれたものなんです」。
 このように我々の生活を快適便利にするGISとは、地図情報とデータの集まり(統計データ・施設データ等)を関連づけたものである。
 防災管理を目的とするGISを行政関連機関が使用すれば、河川が氾濫した時の住民の避難誘導をより迅速に図ることが可能になる。例えば洪水の場合、今まで県、市等が、関連機関を通し、防災情報をテレビやラジオで広報しているとすると、これを進め、様々な社会データ(高齢者世帯、工事箇所、土地環境等)を基に、コンピューターで、より安全な避難場所を抽出する。これらを住民に安全な情報としてインターネットで配信する等である。
 このように、河川管理など単独のシステムを個別GISといい、河川管理、上下水道管理等の数種類のシステムを一元的に管理するのが統合型GISと呼ばれる。県や市町村は、現在統合型GISの構築準備をしている。



▲「今後GISは、我々にとって、
 より身近で便利な存在になる」
 と語る竜野理事長。

品質表示名称表記制度で商品の品質管理が向上

 組合員の資本・技術を結集し統合型GISの共同受注を目指す
 組合員個々では、大手企業などに比べて、資本規模等が比較的弱いため統合型GISの提案、受注は難しい面がある。そこで、組合での共同受注の実現に向け、平成十五年に組合等中小企業連携組織調査開発等支援事業に着手した。この事業で様々な統合型GISソフトを使用していた組合員が、共通のソフトを使用し、共同受注を想定した連携作業を行った。このシュミレーションにより共同作業を行う上での様々な問題を解決し、組合版統合型GISの提案をしていこうという考えだ。
 「県内のある都市を特定し防災・マーケティングの強化を目的に、深く掘り下げ研究できたのも組合組織のおかげです」と竜野理事長は言う。組合員は、県・市等から多くの受注実績をもつなど、その信頼度は高い。
 「組合員は、県内の測量設計を行った際に得た技術やノウハウ、そして各種情報の集積は、非常に高いと自負しています。統合システム受注後のデータ整備等も、我々の得意とするところ。今後GISが、我々の生活に溶け込み、より身近なものになるのは自然な流れです。今後も組合の特徴を関係行政庁に広くPRしていきたい」と竜野理事長は抱負を語る。




中小企業静岡(2005年8月号No.621)