静岡県中小企業団体中央会Shizuoka Prefectural Federation of Small Business Associations. |
昭和43年10月1日 |
CHUOKAI MONTHLY 2007 July No.644 人材確保に活かせ 行動計画の策定・届出策定・届出企業を推進中!次世代育成対策推進法が施行されてから2年が経過した。当初は、企業経営を圧迫するということで反発する企業も多かったようだが、この4月より県内でも認定マークを取得する企業が2社出るなど、次世代法に対する考え方も徐々に浸透し若干風向きが変わってきた。 この法律は、国が少子化への歯止めをかける重要な決め手として、企業に対して男女を問わず社員が仕事と育児の両立ができる職場環境をつくることがねらい。まず301人以上の企業は自ら取組みにあたっての行動計画を策定し、労働局への届出が義務づけられた。300人以下の中小企業においては、まだ努力義務だが、企業全体の99.8%を占める中小企業の策定・届出が成否のカギを握っているといわれている。 これまで県内の届出件数は、本年3月末で301人以上の企業は306社、300人以下の企業においても145社となっている。 本会では、施行前より厚生労働省から次世代育成支援対策推進センターとして指定を受け、普及・相談業務を実施。また平成17年度からは県より委託を受け、組合の会合等での普及講座の実施、社会保険労務士を活用した具体的な策定支援、さらに2年間で300人以下の企業425社を巡回し、次世代法の啓発と少子化に対する考え方等の個別訪問調査を実施した。 調査結果をみると、次世代法の認知度は50%とまだまだ低い。さらに策定・届出を勧めてみても、労働局への届出を監督署への届出と同様に捉え、腰が引ける企業が多いのが実態だ。 しかし一方、ISOと同じように他社との差別化の手段として認定までを目指していきたいと積極的な企業もみられた。 企業の社会的責任が問われている中で、是非1社でも多く策定・届出を検討して欲しいと思っている。 行政HPの積極的活用をいま、中小企業にとって人材不足が大きな課題となっている。今後10年間で全国で労働人口が410万人減少すると予想されており、益々中小企業にとって人の確保が難しい状況になってくる。 これからの人材確保では、企業のイメージアップと自社の働きやすい職場環境を如何に社会にPRしていくかが重要であり、それはまさに行動計画策定企業の策定理由にもなっている。その点では、届出企業が望めば厚生労働省や静岡県のHP上で企業名等をPRするサイトが設けられており是非活用していただきたい。 行政へのお願い当事業を実施している現場の者として行政サイドへお願いがある。実効性を高めるためにもっと策定・届出企業名の積極的な公表と奨励、認定マークの取得条件の緩和を是非ご検討いただきたいと思っている。 そしてさらに、中小企業の現場では、毎年のように労働関係法令が改正・施行され、間接部門が縮小される中で、対応に苦慮しているよりも“戸惑っている”というのが実態であることをご認識いただきたいということを一指導員から申し添えておきたいと思う。(鈴木敏)
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