農林業の設立は三件
これまで農林水産業界による中小企業組合の設立は比較的珍しいケースであったが、昨年度は一気に三組合が設立された。
伊豆市の農業者ら八人が(企)竹の子かあさんを設立し、地元特産品のわさびやしいたけ、竹の子やその加工品を販売する。「道の駅天城越え」に開所した加工販売所
『竹の子かあさん』が拠点となる。
賀茂郡河津町では、地場材の杉・ひのきを多用した住宅「天城木の家」の普及促進を目的に天城木の家(協)が設立された。同町内の林業や製材業に加え工務店や設計業などが加盟する。
椎茸の産地で知られる志太郡岡部町では、生産業者一○名で(協)マッシュセンターおかべを設立した。原木に代わり菌床による生産方法へと転換を果たし、共同生産を行う。
製造業は一件、建設業はゼロ
一方、振るわなかったのが建設業や製造業で前者はゼロ、後者もわずか一組合の設立にとどまった。製造業による組合は(協)PTC面状発熱体研究会で、自動車部品製造業など四社が中小創造法の認定に基づく研究開発事業を行う。
共同受注の減少進む
ここ一〜二年、組合の設立目的にちょっとした異変が起きている。平成一○年以降、共同受注事業を目的とする組合設立が常に全体の過半数を占めてきたが、十五年度はわずか三組合で三割を割り、十六年度も四組合で二割強まで落ち込んだ。
企業組合による創業は過去最高の五件
逆に企業組合の設立件数は五組合。十五年度の四組合を上回り過去最多を記録した。組合員の分布も農林業や商業、サービス業、主婦、サラリーマン層など多岐にわたっており、創業形態の有力手段として浸透しつつある様子が伺われる。
高度化事業の計画は二組合
高度化事業は、静岡資財利用(協)と静岡葬祭(協)の二組合が計画する。
高度化資金は県を窓口とする政策資金で、四月一日現在、○・八%、二○年の長期固定金利や税制の恩典などを受けることができる。
■組合設立分野と目的15年度〜16年度の比較(PDF形式 28KB)
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