静岡県商工労働部の重点施策
開業率(四%)が廃業率(六%)を下回るなど、その活力を失いかけているかのように見える日本経済のなかにあって、静岡県も決してその例外ではありません。
加えて、戦後の発展を支えてきた諸制度の行き詰まりなど経済社会システムの変化はさらに中小企業を混迷させています。
これに対し「力強い“元気な産業”づくり」を目指し、五つの基本方向に基づき施策を展開しています。
商工労働施策の基本方向
I 産業の発展を図る企業の新たな取組みへの支援
II 地域産業を支える既存企業の経営強化のための支援
IV 誰もが能力を発揮できる雇用環境の創出
V 元気産業を創出する人づくりの推進
こうした五つの基本方向に基づき、厳しい財政状況の下で、効率的・効果的な施策を展開していくため、平成十五年度は次のような事業を重点施策として展開しています。
以下、主要なもの、新規事業、中小企業に係るものを中心にその概要の一部を掲載しました。
※具体的な主要事業・予算は十二ページに一覧掲載。
なお、静岡県の平成十五年度当初予算は、一般会計一兆一千七百七十億円で、十四年度比一・三%減と四年連続のマイナス。商工労働費は百七十二億円となっています。
主要事業の概要
●事業名(主なものを抜粋)
◎は新規事業
産業の発展を図る企業の新たな取組みへの支援
(1)新事業創出、経営革新の促進
●中小企業経営革新支援対策事業 一億円
中小企業経営革新支援法に基づく「経営革新計画」に従って中小企業等が行う新商品・新技術開発、販路開拓事業等に対して助成。補助額一千万円×十件
●中小企業向制度融資促進費助成 八五〇、五三二千円
うち、経営革新等支援資金 融資枠六〇億円
中小企業の経営革新等に必要な資金を融資するために必要な利子補給を行う。
*県融資制度については、その重要性に鑑み平成15年度静岡県融資制度資金一覧として掲載。
主な改正点は次の通り。
県融資制度の拡充点
1 セーフティネットの拡充
(1)経済変動対策貸付(業況悪化対策)の融資要件の緩和
〇直近3か月間売上高の前年同期比 15%以上減少→10%以上減少
〇 〃 6か月間売上高 〃 10%以上減少→ 5%以上減少
(2)経済変動対策貸付の融資対象の拡大(金融機関合理化影響対策の追加)
…同貸付の対象に金融機関の経営合理化に伴って一定程度借入れが
減少している中小企業を追加。
(3)再建企業支援貸付の創設
…整理回収機構に貸付債権が譲渡されたうち、再生可能性がある
中小企業向けの貸付を開設。
◇連鎖倒産防止貸付における「倒産企業」を、「再生手続開始申立等企業」に改正
2 経営革新の促進
◇経営革新貸付の融資限度額の引上げ
運転資金 2,000万円→3,000万円
●しずおか未来型産業創出支援事業 九七、七五〇千円
創業者やベンチャー企業等が行う研究開発から事業化までを一貫して支援する地域プラットフォームの形成を促進する。
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