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十年間に1/10ずつの取崩しを

 要するに、改正時の退職給与引当金の金額を、大法人(資本金一億円超)は四年間(平成十四年度及び平成十五年度は3/10ずつ、平成十六年度及び平成十七年度は2/10ずつ)に取り崩し、中小法人(資本金一億円以下)及び協同組合等は平成十四年度から十年間に1/10ずつ取り崩すことになります(平14改法附8)。したがって、改正事業年度以後は、退職給与引当金の新たな繰入れはできません。
 ところで、退職給与引当金制度は、平成十年度の税法改正で累積限度額が期末要支給額の40/100から20/100に引き下げられ、経過措置により表IIに掲げる事業年度において、段階的に累積限度額を引き下げていくこととされていました。(平10改法政令附12(1))

■「改正時の退職給与引当金勘定の金額」を取り崩し、益金の額に算入すべき金額の経過措置(表T)

法人の
区 分
事業年度又は連結事業年度
取り崩すべき金額
(1)
改正事業年度終了時における資本の金額が一億円超の普通法人並びに相互会社
平成14年4月1日から平成16年3月31日までに開始する事業年度又は連結事業年度
改正時の退職給与引当金勘定の金額
× × 事業年度又は連結事業年度の月数
10 12
平成16年4月1日から平成17年3月31日までに開始する事業年度又は連結事業年度
改正時の退職給与引当金勘定の金額
× × 事業年度又は連結事業年度の月数
10 12
平成17年4月1日以後開始する事業年度又は連結事業年度から改正事業年度開始の日以後4年を経過した日の前日の属する事業年度又は連結事業年度まで
改正時の退職給与引当金勘定の金額
× × 事業年度又は連結事業年度の月
10 12
(改正事業年度開始の日以後4年を経過した日の前日の属する事業年度又は連結事業年度では、退職給与引当金勘定の金額の残額)
(2)
上記以外の法人
改正事業年度から改正事業年度開始の日以後10年を経過した日の前日の属する事業年度又は連結事業年度まで
正時の退職給与引当金勘定の金額
× 事業年度又は連結事業年度の月数
120
(改正事業年度開始の日以後10年を経過した日の前日の属する事業年度又は連結事業年度では、退職給与引当金勘定の金額の残額)

(注)
1.改正事業年度は、平成15年3月31日以後最初に終了する事業年度又は連結事業年度です。
2.改正時の退職給与引当金勘定の金額は、改正事業年度開始の時に有する退職給与引当金勘定の金額です。
3.上記の表の「取り崩すべき金額」が、当該事業年度又は連結事業年度終了時おける退職給与引当金の金額未満のときは、当該退職給与引当金の金額とします。(平14改法附8(2)かっこ書)
4.上表の「事業年度又は連結事業年度」において、「取り崩すべき金額」を取り崩した後の退職給与引当金の金額が当該事業年度又は連結事業年度終了時の使用人の期末要支給額を超えるときは、その超過額を取り崩さなければなりません。(同8(3))

■退職給与引当金累積限度額の経過措置(表II)

事業年度(下記の間に開始する事業年度)
割合
平成10年4月1日から平成11年3月31日まで
37
100
平成11年4月1日から平成12年3月31日まで
33
100
平成12年4月1日から平成13年3月31日まで
30
100
平成13年4月1日から平成14年3月31日まで
27
100
平成14年4月1日から平成15年3月31日まで
23
100


中小企業静岡(2003年 3月号 No.592)