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沼津事務所発

増えるユニット受注型組合



新たな市場を視野に

より高度な要求に向け

 「ユニット」と聞いてみなさんが真っ先に思い浮かべるものは何ですか?ユニットバス、それとも新しいところでダンスユニット・野猿?辞書を引くと「単位」「一式」「一座」などとありますが、既に「一式」を指す言葉として定着しているのではないでしょうか?
 昨年四月から今年五月にかけて、東部地区において「ユニット受注」を主要事業とする協同組合の設立が相次ぎました。
 本誌五月号の特集「平成十一年度組合設立白書」にも『共同受注事業については、異業種構成による市場開拓型組合が急伸している』とあります。
 かつて共同受注というと同一業種(建設業関連等)による官公需受注型組合が、また異業種連携というと融合化法認定等による研究開発型組合が主流でしたが、ここ数年の組合設立動向をみると、メンバー個々が得意分野を持ち寄って、より高度な、細かな要求に応えながら市場を開拓していく異業種型共同受注組合が定着してきているのがわかります。

広がる業種構成

 もちろん、この流れは製造業ばかりでなく、サービス業においても見受けられます。前述した東部地区ユニット受注型組合も、環境保全に関するコンサルタント業務から実際に水処理を行う機械の設計・施工を行う組合、工場ラインの新設・変更において土木工事から電気配線や管工事に至るまでを一括受注する組合、さらにはホームページ制作に係る企画・提案からシステム設計に至るまでを受注する組合等です。
 ここにおいて、ユニット受注型組合の業種による線引きを見つけることは容易ではありません。逆に、幅広い業種構成により組合のノウハウを高め、今まで受注対象外であった分野についても積極的に受注を働きかけて行くわけですから業種による線引きは不要となるわけです。これからもユニット受注型組合は増えていくものと思われますが、課題がないわけではありません。それは、原価管理や工程管理をどのようにシステム化していくかです。

求められる緊密な情報交換

 利益確保のためには、製造原価(材料費・労務費・経費)及び一般管理費や販売費を含む総原価の低減と維持が必要です。ユニット受注型組合の場合、業種が異なるわけですから、メンバー各々のデータを積み上げての原価管理が求められてきます。また、工程管理についても、今、製品がどのメンバーのところ(製作段階)にあるのか、リアルタイムでその流れを把握できなければなりません。
 これらについては、メンバーが情報交換を密にしてデータ収集とシミュレーションを行い、システムの基礎さえ築き上げてしまえば解決できることなのです。手間がかかるかもしれませんが、最初のボタンさえ掛け違わなければ後はスムーズに運ぶはずです。(松本)


中小企業静岡(2000年 7月号 No.560)