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そんな伊東市の東部、玖須美地区にあるショッピングプラザ“デュオ“は伊東商業協同組合が運営する共同店舗である。 組合は、伊東市内の業者三七名が平成四年に設立し、平成八年に“デュオ”がオープンした。 消費購買力の約三割、年間一五〇億円の市外流出を防ぐために、ショッピングセンターについての研究、建設土地の選定、核テナントさがし、資金計画等を綿密に検討した。「景気が徐々に後退していく中で、核テナントと提携によって、運営が軌道に乗り始めた」(同) 一階、二階が売場、地下一階、屋上が駐車場という構造をもち、組合員三八名の専門店とユニー伊東店が土地と施設を共有した。 二〇〇台の駐車場増設を昨年行う 駐車場は千台収容可能である。総工費は全体で十五億円。うち高度化資金は約十二億円である。 昨年九月には、お客様の利便性を高めるために約二〇〇台の駐車場増設を行った。 店舗の特徴は、食料品、衣料品、住居関連品等、日常生活に必要な品々を取り揃え、新鮮な商品をリーズナブルな価格で提供すること、四七の専門店街とユニー伊東店によりワンストップショッピングが可能となること、通路幅を広めに設定し、ゆとりを持った買い物ができることである。 平日平均で五千人、週末には七千人のお客様が来館する。 組合員の売り上げ高も一昨年の七月から今年の六月までの集計では、前年同月をほとんど上回り好調である。
この好調さを支えているのが、組合内委員会の明確な役割分担とDUO(デュオ)ポイントカードによるデータの活用である。 組合内には、十二の委員会があり、販売促進委員会、商品別委員会、消費者委員会、システム委員会等に分かれている。 具体的に販売促進委員会を例に挙げるとチラシ装飾部会・イベント部会・ポイント部会の三部門からなり、細分化したお客様へのアプローチを心がけている。 また、組合発行のDUOポイントカードは、お客様がお買い上げするごとにポイントを重ねて特典を設けている。 同時にお客様の情報を収集すカードでもある。現在三万五千人のデータを保管。これらの顧客のデータを集積し、地区別(市内を十一のブロックに分割)、年齢別(五才区分)、性別、業種別、フロアー別等様々な角度から分析。顧客の購買傾向にあわせてDMやチラシを郵送する。 一人一人のお客様の顔を思い浮かべながらの営業のようなワン・ツー・ワン・マーケティングである。 またデータは、役員会、委員会にフィードバックして、全員で詳細に検討を重ねていく。こういった緻密で堅実な情報集積が、成功要因の一つである。
また、組合ホームページを使った共同販売事業も活発である。チラシや広告よりも低コストでビジュアルに消費者に訴えるからである。 これは、年内ほぼ毎月のイベントPR及び結果報告を中心にほぼ毎週更新し、新鮮な情報の提供、受注のアップを図っている。 高齢社会に備えて 今後ますます高齢社会は進展し、家庭内の高齢者パソコンユーザーは増加すると予想される。 こうしたシーンに対応するため、平成八年度には中央会事業を利用し、中小企業マルチメディア対応調査研究事業を実施し、高齢者施設向けに「ローカル・インターネット通販実験調査」を行った。 高齢者市場にいち早く目をむけたアンテナの高さと実行力は、先見性に溢れている。 組合の課題は、施設内に子供の遊び場がなく同時に空スペースの有効利用の検討や相次ぐ近隣大型店の出店等である。 しかし、組合員の意識の改善によって、お客様へのフォローを大事にすることが組合員にも浸透しており、地元消費者からの信頼は厚い。「これからも、生活シーンを想定した商品の提案、お客様に愛される店作りを追求し、組合事業に努力していく」(外岡理事長) |
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