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再認識したい〃組合〃の底力


 今年の県大会は、例年にも増して大きな盛り上がりをみせた。“戦略的な連携”を実践している組合の理事長によるディスカッシヨンは、極めて意義深いものがあった。とくに京都の西新道錦会商店街振興組合の安藤理事長の発言に注目が集まった。
 この組合は、しもた屋と家内工業が混在し、狭い路地にビッシリと軒を寄せ合う、道幅わずかに四メートルしかない典型的な下町にある“場末的な商店街”である。
 しかしドッコイ、この不景気と激しい商戦にもめげず、組合のもつ利点を最大の武器に、実に活発な事業を展開し、組合員たる各商店の経営に大きく寄与している。
 主な事業にICを活用し、七つもの機能を備えた“エプロン・カード”がある。
 一、四%のプレミアのつくプリペイトサービス  二、現金買いに二%のプレミアがつくポイントサービス  三、掛売りの出来る機能  四、分割払いの出来る機能  五、キヤッシュカード機能 六、家計簿支援機能そしてDM情報サービス。
 この七つの機能がたった一枚のカードにすべて集約され、顧客獲得に絶大の威力を発揮している。
 そのほかにも、およそ商店街組合として考えられる事業のほとんどを手がけている。その結果、組合の体質もべらぼうに強い。
 何と組合が組合員に融資する金利が、わずか「〇.八%」という事実が、この組合の力が並みのものでないことを証明している。
 わたくしは、安藤さんの話を聞きながら、目からウロコが落ちる思いで、改めて組合の、相互扶助のもつ偉大さを再認識させられた。
 この事例から学ぶことは、たとえ小さな商店でも、組合に力を結集し、知恵をつかい、工夫を凝らせば、測り知れない力を発揮できることを実証していることだ。

静岡県中小企業団体中央会・会長

中小企業静岡(1998年 12月号 No.541)