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第44回 中小企業団体静岡県大会
            今こそ組織を活かそう”戦略的連携への挑戦”

第44回中小企業団体静岡県大会が10月13日、静岡市のホテルアソシア静岡ターミナルで開催された。
 「今こそ組織を活かそう”戦略的連携への挑戦”」をテーマに掲げた今回の大会には、組合関係者、行政など約800名が参加。戦略的連携にスポットを当て、この連携に組合組織が果たす役割と組合運営について、県外の先進事例を交えながらパネルディスカッション形式で検討していった。
 また、中央会のほか、県商工会議所連合会、県商工会連合会、県商店街振興組合連合会の商工4団体が合同して、現在の危機状態を突破すべく5項目にわたる決議を採択した。


 折々の時代にあって、時局に応じたテーマやスローガンを掲げてきた「静岡県大会」。
 四四回を迎えた今年のテーマは、「今こそ組織を活かそう”戦略的連携への挑戦”」。
 会場のホテルアソシア静岡ターミナル「駿府の間」には、石川県知事、佐原県議会議長、宮城島清水市長などの来賓、中小企業関係者合わせて約八〇〇名が参集した。
 中央会佐野副会長による開会挨拶の後、来賓を代表して石川県知事は、「県も持ちうる政策手段をフル稼働してこの不況を全員野球で乗りきろうという精神でやっていきたい」と挨拶。
 続いてメインである「戦略的連携への挑戦」をテーマにしたパネルディスカッションとし、冒頭、全体の流れを説明。
(1) 井上中央会会長より基調発言
(2)ビデオによる戦略的連携の背景や内容紹介
(3)ディスカッションについては現役理事長三名のパネラーにより、それに中央会水上専務がコーディネーターを務める旨等が説明された。

井上会長基調発言

組合の課題と戦略的連携について

▲挨拶に立つ石川県知事

▲基調発言を行う井上会長

 今、我々の周辺でいわれている不況は、もはや不況ではなく恐慌である。金利を下げたからよくなった、資金を増やしたから、税金を下げたからよくなったという時代ではない。待ちの姿勢、諸施策頼みではよくなることはない。
 真の意味で中小企業の時代と言い得るには、自己研鑚により自らが抜け出しリーダーシップをとっていくようでなければ中小企業全体の姿勢は直ってこない。
 手元に中小企業白書があるが、副題を見ればわかるように、昨年のテーマは「中小企業、その本領の発揚」。これは従来の路線の中でもっと先を見つめて進め、ということで意識変化ではない。対し、今年は「変革を迫られる中小企業と企業家精神の発揮」と一八〇度変わっている。
 中小企業は大企業にはない小回り性、機動性、柔軟性、迅速性を持っている。反面、技術力、資金力、営業力などの「経営資源」が不足しているが、これらをすべて、自分の会社の中に保有するのは、大変困難である。
 そこで、複数の企業や組織が連携することによって、足りない経営資源を相互に補完し、その相乗効果を活かしていくことが現代の中小企業の重要な戦略となってきている。すなわち、外部の経営資源を活用しながら、新製品開発・物流効率化・情報ネットワークなどを行っていくためには、新しい価値を生み出す柔軟性と俊敏性をもつ連携、「戦略的連携」が求められている。
 今回のパネラーは、現在実際に組合を経営している現役の理事長を迎えた。あえて経営というのは、組合といえども、まさに経営感覚が必要であり、そういう経営主義に徹した実務者としての理事長の話は地道ではあっても現実論として皆さんのハートに飛び込んでくるのではないか。今日ここへきてよかったという収穫があることを祈念している。

 続いて、約五分間にわたり、戦略的連携の背景や内容についてのビデオが紹介された後、ディスカッションに入った。


中小企業静岡(1998年 11月号 No.540)