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真の商店街再生に求められるもの


 不景気でモノが売れない。中元商戦も全く駄目。空店舗はますます増えている。
 商店街のあちこちから弱音や嘆き節が聞こえる。特に地方都市の中心商店街の地盤沈下は激しく、空洞化現象が一段と進んでいる。
 静岡県下で賑わいを見せているのは静岡市の呉服町を中心とした商店街などのごく一部。他の各地の商店街の多くは閑散とし、街は空っぽで通行人がいない。さみしい限りである。車社会で郊外の大型店や新業態に客足をとられ、大店法が廃止されようとし、地域の小売商業者は今まで以上に苦況に立たされている。
 こうしたなか、新しい枠組みの一つとして、中心市街地活性化法(活性化法)が七月に施行された。
 この活性化法、従来の個店や商店街の「点」や「線」に止まらず、コミュニティ施設等の計画的配置を含めた「面」としての商業基盤整備に力を入れている。つまり、単なる商店街対策でもなく、ヤル気のない商店を延命させる商業政策でもない。地域全体の問題として捉えている。
 希望と自信を失い、悲観論しか語らなくなった商店街には、もはや元気は期待できないし、展望も広がらない。
 今、商店街に求められるものは、まず何といっても懸命な自助努力による難局を打破していく気迫。そして、地域や自治体と一体となり、長期的な視点で街の発展を捉えていける広い視野ではなかろうか。商店主には、一人一人が街の演出家としての意識とセンスが求められるし、それには、住民参加の街作りが欠かせない。
 「天は自ら助くる者を助く」という。ヤル気さえあれば行政も地域の人々もサポートしてくれるに違いない。そして、そこには商店街の新しい道も拓けてくる。
 即ち、市街地活性化に向けて、大いに羽ばたく商店街の個と集団の積極性に期待したい。

静岡県中小企業団体中央会・会長

中小企業静岡(1998年 9月号 No.538)