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4

   静岡ツキ板協同組合

   
組合ブランドで現状打破!!


            
〒420-0853 静岡市追手町45-9
             TEL 054-273-3732

 



ツキ板って何?!

 

 

▲高級材でコストパフォーマンスに優れた
 ツキ板



 
皆さん「ツキ板」という言葉をご存知ですか!?
 言葉をご存知ない方でも、皆さんは日常生活の中で必ず一度は「ツキ板」の恩恵を受けています?!
 ツキ板は、普通合板の表面に、優良天然木を切削して貼ったもの、あるいは表面加工したものです。身近では家の内装に使われています。
このツキ板は
・柔らかい光沢と優雅な色彩を持つ
・木材の優れた保温性から冬を暖かく感じる
・木材の湿度調整機能で生活環境に優しさ、居住にうるおいを与え快適さを加える
・虫が発生せず衛生的
等の優れた特長をもち周りでは、和洋ダンス、座卓、鏡台、キャビネット、床の間と幅広く使用されています。日本以外でも世界各国で高級内装材として使用されていて、皇居の新宮殿にも使われています。
 実は静岡市周辺は、ツキ板の隠れた全国名産地なのです。
 設立のきっかけは、静岡県内の展示会開催を目指し、静岡市周辺の組合員が昭和六一年八月、八名で静岡ツキ板協同組合を設立。
 共同販売・共同購入等をメインに組合活動を開始。
 共同販売事業は、年一回定期的にイベントを開催。設立当時から、イベント効果は大きく組合員の売り上げは平均二十%増。(組合関係者)
 また、共同購入事業は、北海道の帯広・北見・旭川・札幌市等の原産地から最高級の良質原木を厳選することを可能にした。
 しかし、輸入住宅の台頭や、住宅建築様式の多様化により現在従来の販売方法が変わり、生活者価値観の多様化に組合員も対応が迫られている。
 そこで組合は、様々なアプローチを試み、現状の打開策の一環として中央会活路開拓ビジョン調査事業を利用し、既存事業の脱却及び二十一世紀への革新を図る。

新しいネーミングはECO&ECOWOOD

 第一は、販売促進・PRの強化である。自然、環境、ぬくもり等、住む人が快適と感じる環境づくりがこれからのキーワードである。
 これを利用し、ツキ板のPRを図り、製品の良質化を一般生活者に普及浸透させる。
 戦術は、媒体(テレビ・ラジオ・ホームページ、人的ネットワーク等)を効率的に利用。公共の展示品コーナー、各種イベントの出展、従業員や家族を通じて草の根PRと消費者ニーズの収集である。
 今回、ツキ板の新しいネーミング(ECO&ECOWOOD)とロゴマークの作成を試みた。組合の名刺、封筒、パンフレット、看板等に使用し、イメージアッ

 

 

 

 
▲「積極的にイベント参加する」 
と語る橋本理事長  

 

 
プの強化を図る。これらの戦術も業界では先駆けであり、生活者にインパクトを与えている。
 第二は、関連業界との交流及び連携の模索である。
 組合員は、これから生活者の声を的確に反映した製品を作る事が必要という認識のもと、住宅関連業界以外に、建築、楽器、コンピュータ業界と交流を行い、企画設計段階から参入し、情報ソースの多元化を模索する。
 具体的には、建築士が新しい企画、設計を始める前に、定期的に意見交換会を開催する。また、建築士用のカタログや注文フォーマットを作成し、建築士と設計業務が見積もり作成業務をしやすくする等である。
 第三には、原材料、技術、生活者ニーズ等に関する情報の収集を行い、情報の共有化である。
 住宅を検討している三十代や予備軍の二十代をターゲットにインターネットのホームページの制作に合わせて有効なリンクをはる。樹種、原木など顧客ニーズ(顧客の使用現場におけるニーズ)等に関する情報収集をリアルタイムに行い、ユーザー志向に常に努め、商品構成を変化させる。
 第四に後継者の養成及び青年部の活動強化である。
 枠にとらわれない発想と大胆な行動力は、業界の大きな起爆剤となる。
「以前は後継者が育たず、廃業せざるをえない組合員もいた。しかし、住宅の増築や改築には潜在的なニーズがある。組合でも他地区の組合と連携協調し、各種イベントに積極的に協力して組合員の販売促進の強化に努めたい。」(橋本理事長)
 環境グッズや健康グッズが売れている現在、ツキ板は経済的・視覚的・衛生的に売れ筋商品といえる。
 今後は、時代の追い風を利用し、組合の長期的な販売戦略が鍵を握る。


中小企業静岡(1998年 8月号 No.537)