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 職員10人が″東奔西走″

 沼津事務所発

現場を肌で感じながら
〜観光地ゆえの苦労も〜


広い守備範囲

 沼津事務所の守備範囲は実に広い。
 一概に、富士川以東といわれる範囲だが、事務所を基点にすれば東は熱海、西は富士、南は下田、北は御殿場となる。東と北はわりあい平坦地だから距離はあっても心理的には近いと感じるが、熱海方面は亀石峠、下田までは天城峠を越えねばならない。したがって、距離もあるが気持の上でも、やはり遠い。
 年頭には、雪に悩まされた。 ご承知の通り、亀石、天城、つけ加えれば西伊豆に通じる船原の各峠は、暖かいといわれる伊豆半島にあっても、名にしおう積雪地帯。今年の成人の日前後の大雪は職員の日程を大いに狂わせた。伊東に出かけた職員は、亀石峠を越えられず、泣く泣く引き返す羽目になった。
 車がだめなら、船がある。
 といっても時々だが、船を利用しての出張もある。
 静岡県は観光立県であるが、伊豆半島はその中心である。こころみに伊豆半島の地図を前にすれば、そこはすべて温泉地、観光地で埋めつくされる。夏は伊豆にとってかきいれ時だ。首都圏から車が殺到する。いきおいそこかしこが大渋滞する。特にお盆休みのあたりは最悪である。
 職員の必需品に「うらうらマップ」がある。渋滞時の抜け道紹介地図であるが、これとて一般的な渋滞なら利用価値があるが、この非常時、裏道も渋滞する。なにせ、伊豆に抜ける道路沿いのガソリンスタンドのほとんどがこのマップを配るので、裏道の方が大渋滞という事態もおこる。そこで、下田・西伊豆方面は船で、ということになる。早いし快適だが、しっかりバケーション気分になっているまわりの雰囲気の中で、背広姿に鞄を下げた姿はやけに目立つ。

現場は良き教師

 その守備範囲に三四五の組合があり、所長の望月以下十人の職員でやりくりしている。
 特にこの原稿を書いている新緑の時期は一〇〇近くの組合から総会への招待状をいただき、全職員、東奔西走する日々が続く。
 昨日は旅館の組合さん、今日は工業団地、明日は商店街と訪れる先がバラエティーに富んでいる。すなわち、職員にとっては貴重な勉強の場面が広がっていることになる。事前に目を通した書類にはあらわれていない現実の組合の姿や人々の考え、それらの環境に触れることで、東部の組合のために中央会は何ができるか、どうすべきかを肌で感ながら事務所に戻ってくる。まさに「現場は良き教師」なのである。
 初夏を迎えたいま、厳しさや課題、それぞれ得たものを胸に職員はまた、組合さんの待つこの広い守備範囲に散ってゆく。
「こんにちは、中央会です」


中小企業静岡(1998年 6月号 No.535)