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「情報」 |
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■組合では今年度、ホームページの作成を検討していますが、その効果について意見が分かれています。 ホームページの効果や留意点について解説してください。 また、作成する場合、その手順や経費の目安についてもご教授ください。 ■ホームページは効果があるのか 巷間では、「ホームページは掲載しても効果が無い」と標榜する評論家がいる。はっきり申し上げるとこの考え方は間違っている。なぜなら、静岡県の中小企業者のなかには既に成果を上げた企業が複数でてきているからである。 また、一部不届きなホームページ制作者のなかには「ホームページを掲載すれば儲かります」あるいは「商店街が活性化します」と簡単にいうものがいる。この考え方も間違っている。 ホームページはあくまで広告手段、コミュニケーション手段であって、その使い手の工夫や努力や才能によって成果の多寡が異なってくる。ホームページを実利に結び付けていくためには、戦略と基本理念、そして地道な運営努力が必要である。 ■目的とターゲットの明確化 ホームページを掲載する効果は、その組合の業種業態によって異なる。例えば、買回品を取り扱う商業者は簡単に商品の実売に結び付けるチャンスがある。しかし、同じ商業者でも最寄品はインターネット販売に不向きである。同様に製造業者その他業種業態によって効果の追求の仕方が異なってくる。 ● 製造業系組合のホームページ作り 製造業のホームページの作り込みを行う場合、「企業信用力」を作り込む必要がある。ここでいう「信用力」とは以下のようなものをさす。 一、専門的技術力: 特許、有資格者の保有人数、企業のもつ資格、 ISO9000/ISO14000 二、 生産能力: 保有設備の機種や台数、従業員数などの情報掲載 三、 事務局の連絡体制、指導力 四、 参加企業情報: 企業沿革、過去の実績、取引金融機関、資本金規模など 五、 取り扱い製品、工法の有利性 現在、外注先の再編が行われつつある。他に先立ち受注を獲得していくためには、技術力・専門力と前述の信用力が必要となる。 ● 商業系組合のためのホームページ作り 意外に効果を出しにくいのが、商業系組合のホームページである。例えば、商店街系の組合の場合、取り扱い商品が異なる。このため総論賛成、各論反対になりがちである。 そこで、効果のあるホームページ作りとして以下の方法を提案したい。 一、 個店別のホームページに力点を置く方がよい 二、 インターネット販売の受注や代金決済等の個人取引には 組合として関与しない方がよい 三、 一点逸品(一品)に絞り込んだマーチャンダイジングが有利 さらに、個店レベルに踏み込んだホームページの作りなどを含めると留意すべき点は無数にある。しかし、少なくとも、「クール(格好のよい)」なホームページを作っても効果はない、ということは知っておくべきである。 消費者は「血の通った店」から商品を買い、通常の商店と同様に「店主とのコミュニケーションを楽しむ」のである。 ● サービス業系ホームページの作り込み 最近、この手の診断・指導依頼も増えている。ソフト的サービス業の場合、電子的な納品も可能なことから、うまくいっているページでは東京から受注が年間数百万に及ぶものもある。そのポイントは以下のとおりである。 一、 専門性を訴求するための論文、統計データを豊富に示すことが必要 二、 サービス業としての就業理念の盛り込み 三、 専門職従事者としての人格を明確に示すようなホームページ作り ■準備とコスト ● 準備 組合でホームページを立ち上げる場合、まず、小委員会を招集し、組合全体のページと個人ページの機能や責任の明確化を行っていく必要がある。組合では大概の場合、すべての組合員を巻き込むことは不可能に近い。そこで、参加者募集にあたっては組合全体に告知を行い、参加を呼びかけていくと良い。また、小委員会で上記コンテンツ内容の検討や外注、内製等の開発運用体制とルールを定めておくことも大切である。 ● コスト ホームぺージの構築コストは、A四版一枚あたりもっとも基本的なページで約五千円が相場である。写真が入ったものや動画を使ったものはその数倍から数十倍すると考えてよい。 なお、県中央会の補助事業を活用すると、上限はあるもののホームページ作成コストの三分の二を助成してくれる。また、本来ならば一月二千円~五千円程度かかる掲載コストも組合支援の一環で無料となる。 著者の事務所もホームページを掲載し、受注獲得の効果をあげている。しかし、その陰で一週間一度の更新を行うなどの涙ぐましい努力も必要とされていることを知っておいていただきたい。 |
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