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人事異動から、早一カ月。上司からは「二週間で新しい部署の仕事をマスターできなければプロではない」との叱咤激励を受けながらも、今だ、中核にあるものが理解できないまま、その表層で右往左往しているだけのような日々に追われている。
 あ〜あ、それにしても嘆かわしいのは、わが遅筆。モノの本によると、常に思ったり、考えたりしている人は、自分の身の回りの出来事や事柄が五感を通して飛び込んで来て、それがイメージとして焼きつき、自然に文章として結晶化されるという。
 つまり、才能の無さに加えて、漫然として生きてきた報いということか。
さて、表紙を飾る平成十年度のテーマ『静岡県民の歩み、築いてきた歴史』の二回目は、昭和二七年に完成した静岡市の名物だった駅前の大ネオンアーチを取りあげた。繁華街のネオン塔は呉服町、七間町にも登場。他都市でも次々と取り付けられ、ネオンが夜の街を賑わせるようになったという。
 戦後からの復興の中、ネオンの灯に吸い込まれていく人々の姿が復興したのもこの頃なのだろうか。そして、今と同じようなサラリーマンや庶民のつぶやきも……。 (敏)



中小企業静岡5月号(通巻534号)
発行人 井上光一
発行所 静岡県中小企業団体中央会
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中小企業静岡(1998年 5月号 No.534)