CASE STUDY・・・・・ 情報と通信
「モバイルコンピューティング PART-2」
 
モバイル通信の特性と使用法

           加藤経営情報研究所
           中小企業診断士 加 藤 忠 宏

 前号に続き、モバイルコンピューティングの基本原理や特性、使用法を説明する。

●モバイルコンピューティングをはじめよう
 モバイルコンピューティングを行うために最低限必要なものは、ノート型パソコンである。
 また事前にインターネット又はパソコン通信のID(認証番号)及びパスワードを入手しておくことも忘れてはならない。
 そして、携帯端末(PHSないし携帯電話)とPCAカードを用意すると良い。著者の装備は以下のとおりである。
一、ノート型パソコン SO-TEC TRIM133(CPU 133MHZ/メモリ48MB/HDD1.2GB)
二、携帯端末 パルディオ32K+PCAカード
 ノート型パソコンはインターネットで購入すると20万円、メモリは二万円の増設メモリを購入、PHSとカードはセットで七千五百円だった。
 ノート型パソコンはなんと一・一と超軽量で通常のノート型の三分の一である。
●携帯端末の選択
 携帯端末としてPHSと携帯電話の比較結果を以下に整理した。
▽通信料金(APHS携帯電話)
■安価(10円/分)高価(機器により異なる)
▽通信速度
■高速ォB低速
▽地下の通信能力
■強いなし
▽高速移動時の通信能力
■なしあり
▽郊外での通信能力
■なし(主要都市周辺)ォB県内・首都圏広範囲
●モバイルコンピューティングの留意点
 モバイルコンピューティングを始める場合、上記携帯端末の特性のほか、以下の点にも注意が必要である。
一、プロバイダ:モバイル通信をサポートするプロバイダは少ない
二、マニュアル:設定マニュアルに間違いが多く、設定に迷う場合がある
三、携帯端末:PHSの場合、32Kのものでなければ駄目
●モバイルコンピューティングの経営的効果
 モバイルコンピューティングを始めた結果、以下のような経営的効果が期待できる。
一、営業マンの事務処理効率の合理化・省力化
二、見積もり提出の迅速化
三、上位者出張時の決済の迅速化
四、経営者出張時、部下に対する指示の迅速化
 通信ツールを活かすも殺すも経営者の考え方次第である。ぜひ、モバイル通信のみならず電子メールの活用を考えてみてはどうだろうか。

 中小企業静岡(1998年1月号 No.530)