「途中下車
してみたくなる街」

 静岡竹工芸協同組合
      篠宮 康博
 十月中旬、三〇数年ぶりに身延線に乗った。
 電車は、新しくなって間もない特急ふじかわ号で、紅葉も見頃で快適な旅だったが、空模様があやしくなり、身延の手前でぽつりぽつり降り始めた頃、電車がスピードダウン。駅でもないのに停まってしまった。
 赤信号かと思っていると、車内アナウンスで、降り始めた雨で車輪がスリップして坂が登れないとのことだった。
 三、四分の遅れで到着した身延の駅から見た街並みは、掛川の新しい街並みの様に和風の店が並んで見事だった。急いでいたので途中下車できなかったが、時間があったら、ぜひ途中下車してみたいと思う街だった。
 甲府まで、二時間十分の旅でした。

 中小企業静岡(1998年1月号 No.530)