ものづくり補助事業 成果事例集
53/54

リットルであり、ダシ滅菌機の洗浄には1日270分要している。さらに、同設備はメンテナンスが難しい設計となっているため、十分な滅菌作業を行うために時間的・人的コストが大きくかかっている。これらの課題が生産力の低下につながっており、取引先への安定供給が困難である原因となっている。の容量を拡張し、洗浄・滅菌能力に優れた「アセプティック処理設備」を導入した。この設備により、液体ダシタンクの容量が3,000リットルに増加し、さらにCIP装置*の設置により洗浄・滅菌時間の短縮も実現した。また、優れたメンテナンス性と加熱能力により、完全な滅菌が可能となり、より効率的で安定した生産体制を構築することができた。※CIP装置... 洗浄が必要な機器にあらかじめ洗浄設備本設備導入により、生産量の増加、洗浄・滅菌時間の短縮及びロス率の低減に成功した。具体的には、タンクの容量が従来機の2倍となり、それにより1日の生産量が1,000リットル増加して最大2,500リットル生産できるようになった。また、CIP装置の導入により、洗浄・滅菌にかかる時間は1日あたり90分短縮され、作業の効率化が実現した。さらに、設備のメンテナンス性が大幅に向上したことから、無菌製品の安定生産が可能となり、顧客の厳しい要求基準をクリアできる体制を構築できた。今後は、本設備を最大限に活用し、さらなる品質向上と生産の効率化を追及していく。特に、製品の独自性を保ちながら、より高い品質で提供することで、顧客満足度を向上させることを目指す。また、液体ダシのOEM製造も視野に入れた新規取引先の開拓に力を入れ、国内外における販路の拡大を積極的に進めていく。52ものづくり補助事業 成果事例導入したアセプティック処理設備無菌充填液体ダシ取り組みの内容結  果海外展開する日本料理店に重宝されている、常温保管が可能な「無菌充填液体ダシ」の生産能力向上を目指し、アセプティック*処理設備一式を導入した。その結果、生産工程の時間短縮やロス率の低減を実現し、取引先への安定供給、生産量拡大を達成した。※アセプティック…食品を無菌状態で充填、包装するシステムのこと現状、同社における液体ダシタンクの容量は2,000こうした課題の解決に向け、同社では液体ダシタンクを組み込み、ポンプで洗浄液を送り込んで機器内を自動洗浄する装置。生産量増加とロス率の低減により安定供給を可能に▪具体的な事業内容顧客要求への対応と更なる事業拡大に向けて

元のページ  ../index.html#53

このブックを見る