分解することで生成され、家庭用や業務用の洗浄剤として広く利用されている。一方、接触や吸収によって人体に悪影響を及ぼす可能性があるFASは、製造に携わる従業員の安全にも脅威をもたらす危険性がある。これに対して、アルカリ性電解水は手に触れても危険がないため、労働安全性の向上にも寄与することが期待できる。置を導入し、全製品の使用薬品を全てアルカリ性電解水に変更することとした。アルカリ性電解水を使用する蒸解工程は、製造ラインの上流に位置しており、本事業では薬品の置き換えのみを実施するため、工程数を変更することなく、全製品における薬品使用料を削減することが可能である。また、余剰の電解水は除菌洗浄剤として病院や介護施設などに販売することを計画している。生成された電解水はスプレーボトルに充填することも検討しており、強アルカリ性電解水は汚れの除去に適しているため、衛生管理が厳しく求められる医療・介護分野に向けた除菌洗浄剤としての販売が見込まれる。アルカリ性電解水とは、一般的には水や食塩水を電気本事業の実現に向け、同社はアルカリ性電解水生成装本事業により、アルカリ電解水生成装置を導入し、従来使用していた化学薬品FASを全量撤廃することができた。この取り組みは、特に「コスト改善」において顕著な効果を発揮しており、FASの購入費が不要となったことで、アルカリ電解水生成装置のランニングコストを差し引いても、月額1,375千円のコスト削減を実現した。また、売上も昨年比で約105%増加しており、事業の成長が数値として明確に表れている。さらに、FASは粉体薬品であり、取り扱いに際して工場作業員の健康リスクが存在していたが、撤廃により誤吸引リスクが解消され、従業員の安全性が大幅に向上した。加えて、排水中に薬品が残留するリスクもなくなり、環境負荷の軽減にも寄与している。同社は、製紙工程におけるアルカリ性電解水の利用に関する特許を取得しており、同業他社から要望があれば内容を公開している。この技術は、他社にとってもコスト削減や環境対応の有効な手段であり、業界全体の発展に貢献するものと考えられる。また、こうした先進的な取り組みをベースに、グローバル市場への進出も視野に入れ、海外展開も含めて新たなビジネスチャンスを追求していく。50ものづくり補助事業 成果事例導入したアルカリ性電解水生成装置同社が製造しているトイレットペーパー取り組みの内容結 果古紙再生の蒸解工程において、人体に有害な還元剤(FAS)に代わり、安全なアルカリ性電解水を使用するため、アルカリ電解水生成装置を導入した。本事業により、同社の特長である、「環境と人にやさしい製品」の更なる強化を実現した。安全なアルカリ性電解水への転換と生成設備の導入▪具体的な事業内容FAS撤廃による効果と新たな価値創造に向けて
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