ものづくり補助事業 成果事例集
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向け対応すべき課題が明確となった。まず、めっき未着等、不良品の原因を分析するため液体窒素を用いて電子顕微鏡を冷却する必要があるが、その液体窒素の手配や検査機器の準備に長時間(約27時間)を要している点である。また、検査方法が属人的であり、従業員の経験と知見に依存していること、さらに、短納期の要求が多く、被めっき素材の成分分析に十分な時間が確保できていないことである。できる最新の走査電子顕微鏡と、既存のデジタルマイクロスコープに追加できるレーザー元素分析装置を導入した。料分析の準備に要する時間を、これまでの約27時間から 約30分に短縮することができた。また、内蔵されたCCDカメラで分析位置をある程度特定した後、電子顕微鏡で詳細に観察する方法が可能となったことで、1分析当たり約3時間を要していた検査が、約30分で完了することができるなど、大幅に分析時間を短縮することができた。現場での協議を重ねた結果、調査分析体制の見直しにこれらの課題を解決するため、同社では、元素分析が導入した電子顕微鏡は、窒素冷却が不要であり、試最新の電子顕微鏡の導入により、素材の分析や不良の原因究明のスピードが格段に速まった。また、レーザー元素分析装置は、大気下で使用できるので、これまで難しかった大型の製品も非破壊で分析が可能となった。さらに、視認性に優れた操作画面となったことで、経験の浅い工員でも、30分程度の練習で操作ができ、今後、同社が目指す多能工化の育成にも大いに役立つものと思われる。収益に直結しない調査分析体制の整備に対し、強力なリーダーシップで思い切った投資を行った渡辺社長は「真の不良原因究明は当社と顧客、双方に大きなメリットがある。高水準の調査分析体制を構築することができたことで、短納期対応能力、品質、生産性の向上を図り、競合他社に対する差別化、優位性を加速することができた」と自信を見せる。「受注拡大のチャンスは、以前に比べ非常に限られている。少ないチャンスを逃さないよう、社内外の体制をこれからも充実させていきたい」。受注分野の新規開拓を目指し、同社では新設備を設置するスペースが既に確保され、いつでも対応できる準備がなされている。46ものづくり補助事業 成果事例導入した電子顕微鏡(左)とCCD&レーザー元素分析装置(右)多様なめっき処理に対応する多能工化の一助になった取り組みの内容結  果様々な素材や技術に対応しためっき加工を行う同社は、最新の電子顕微鏡と元素分析装置を導入した。めっき不良の原因調査や被めっき素材の成分分析の高度化が図られたことで、めっき不良の未然防止に大いに役立つこととなった。作業時間も大幅に短縮され、生産性や付加価値の向上を図ることができた。走査電子顕微鏡と元素分析装置の導入調査分析時間を大幅に短縮不良削減は顧客との共通メリット受注拡大に向け工場拡張も進む▪具体的な事業内容

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