パイプの加工を切断機によって1つずつ行っていたことである。この方法では内外にバリが発生し、面取り加工が必要となる。面取り加工には、面取り、洗浄、乾燥の工程が必要であるが、内側と外側のバリ取りを同時に行うことはできない。さらに、後工程の研磨もショットブラストで1つずつ処理しており、今後の増産に対して課題となっていた。これらの工程を効率化すれば、製品の品質向上だけでなく、作業時間を他の工程に充てることが可能となるため、改善が急務であった。と遠心バレル研磨機を導入し、作業工程の自働化を目指した。導入初期には、職人の技術や感覚を数値化してプログラムに反映させることが困難であったが、試作を繰り返すことで精密な加工を再現することが可能となった。同社が事業に取り組む際に直面した課題は、リターンそこで、これらの課題に対処するため、CNC自動旋盤CNC自動旋盤と遠心バレル研磨機を導入したことで、材料の投入後に切断及び外側の面取り加工の自働化が実現し、一度に大量の製品を研磨できるようになったため、生産性の向上及び省人化が実現した。リターンパイプ1,000本あたりの製造時間は、導入した遠心バレル研磨機による研磨工程も含め、全体で従来の約17時間から約13時間に短縮された。また、新工程では、材料の投入・取り出し及び次工程への運搬時間を除けば、他の作業が並行して可能であるため、短縮された時間以上の効果が得られている。自働化により、操作方法を把握すれば誰でも均一に製造できるようになり、夜間の加工も可能になったことで、全体の生産量も大幅に増加した。これらの取り組みの結果、増産体制が整い、顧客からの要望に応えることが可能となった。椿社長は、「設備の導入により作業工程がシステム化され、生産管理が容易になった。他の工程にも波及させていきたい」と語った。36ものづくり補助事業 成果事例導入したCNC自動旋盤(左)と遠心バレル研磨機(右)完成したリターンパイプ取り組みの内容結 果CNC自動旋盤と遠心バレル研磨機を導入することで、当社主力製品であるリターンパイプの量産化に取り組んだ。2つの設備を入れることで新たな工程が確立され、生産性が向上するとともに、自働化による省人化にも繋がった。CNC自動旋盤と遠心バレル研磨機導入による工程の改善▪具体的な事業内容生産性の向上と省人化の実現
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