多様なため機械加工が難しい。特に穴あけ加工は、手作業に依るところが多く、生産性向上のボトルネックになっている。また、品質にバラツキが生じやすいため、熟練工員の経験と勘に頼りがちで、これが人材不足解消に向け多能工化を目指したい同社の大きな悩みであった。のドリルマシンを導入し、熟練工員の手作業に頼っていた穴あけ加工の機械化と加工精度の向上を図った。にも大きな成果が得られた。例えば、鋼材10本に対し各8つの穴をあける作業では、これまで約5時間を要していたが、約1.5時間で完了することができるようになった。不良率も下がり、コスト削減、収益性の向上にもつながった。ことができるようになった。熟練工員が若手工員の技術指導にあたることで、工員全体の技術レベルが底上げされ、柔軟な配置転換に対応する体制を築くこともできた。複雑、小型鋼材の加工は、部材の形状や厚さ、寸法がそこで同社は、複雑、小型鋼材の加工に適した最新鋭同機械の導入により、作業時間の短縮や不良率の低減また、熟練工員を難易度が高い他の作業に注力させる昨今、同社において、住宅構造材に多く用いられる軽量で複雑な角型鋼材の取扱いが増加している。また、改修や改装工事等で用いられる小型鋼材の需要も拡大している。この度、複雑角型鋼材及び小型鋼材の穴あけ技術の高度化が図られたことで生産性や受注の幅が大きく拡大した。小型案件に必要な鋼材は、一般的に小規模事業者が分業で加工にあたるが、同社では、加工から取付までワンストップで効率良く行う体制が整い、納期も短縮できた。また、手作業で穴あけ加工を行っている競合他社と比較し、機械化により精度が向上、品質の優位性を取引先に強くアピールすることが可能となった。森竹社長は、「従業員や取引先様のおかげで、創業60周年を迎えることができた。加工から取付までの一貫生産体制を活かし、 中規模案件だけでなく、小規模案件にも積極的に挑戦していきたい。人材の確保には苦労も多いが、職場環境の整備と多能工化を推進し、従業員のやる気を高めることで、人材の定着と生産性の向上をさらに図っていきたい」と今後の抱負を語った。34ものづくり補助事業 成果事例導入した最新鋭のドリルマシン穴あけ加工後の鋼材取り組みの内容結 果建物や橋梁などを支える鋼材の加工、取付を行う同社は、最新鋭のドリルマシンを導入し、加工技術の高度化を図った。熟練工員に頼ることが多かった穴あけ加工作業の標準化と、生産性の向上を成し遂げた。同社の強みであるワンストップサービスに磨きをかけ、他社との差別化を推進し、更なる需要の開拓と発展を目指す。ワンストップサービスで差別化を推進職場環境の整備で人材定着を目指す▪具体的な事業内容最新鋭のドリルマシンを導入加工精度と生産性を向上
元のページ ../index.html#35