ものづくり補助事業 成果事例集
11/54

測長、切断、巻取りの工程であった。従来の工程では、作業負担、作業効率、製品品質、工場内の安全性等の問題に加えて、工場内を横断する形で原料を引き出すことにより、フォークリフトの通行ができないなど、工場内の他の作業に悪影響を及ぼしているため、職場環境の改善は急務であった。切断、巻取りを自動化するCSB巻取り装置一式を導入することとした。しかし、当社が受注するベルト型吊り具は新型であり、既存の機械では、形状が対応していないため、メーカー協力のもと特注仕様の設計、開発を行った。開発段階において、ベルト形状であるために「すべり」が発生し、均一に引き出し、巻取ることが難しいことが判明した。この「すべり」を防止する材料の選定、引き出し、巻取る際に吊り具にかかるテンションの強さの度合いを調整することで、測長、切断、巻取り設備の仕様を決定した。事業に取り組むにあたって同社で課題となったのは、こうした問題に対処するため、指定した長さの測長、同装置を導入したことで、指定した長さの測長、切断、巻取りが自動化した。原料(250m)10本分の加工時間は、従来の約12時間から約6時間に短縮できた。また、これまで、この工程に3人工の作業が必要であったが、測長、切断、巻取りが自動化されたため、1人工で対応できるようになった。併せて、同装置が自動で測長を行うため、作業員の負担が軽減され、フォークリフトが通行できない等の他の工程への影響が無くなった。また切断工程についても、従来はサンダーで切断を行っていた為、火花と粉塵が舞い、安全性に課題があったが、新たに、切断性能の高い切断機を使用することで、これらの課題も解決し、またバリの発生も無くなった。この取り組みによって増産体制が整い、取引先からの発注に応えることが可能となった。萩原取締役は「測長、切断、巻取り工程が自動化できたが、さらに梱包や積み込み等の作業を安全かつ負担の少ないものにできないかを検討していきたい」と語った。10ものづくり補助事業 成果事例導入したCSB巻取り装置加工されたエレベーター用ベルト型吊り具取り組みの内容結  果同社が受注するエレベーター用ベルト型吊り具の加工(測長、切断、巻取り)を効率化し、生産性を向上させることで、次世代のエレベーター吊り具市場を開拓すべく、CSB巻取り装置一式を導入した。結果、測長、切断、巻取りの自動化の実現により、安全性の確保と作業効率向上の目的を達成した。▪具体的な事業内容CSB巻取り装置導入による工程の改善工場内の安全性確保と作業効率の向上

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る