ものづくり補助事業 成果事例集 補助金事業
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7「追い茎本わさび」の製造工程に際して大きな課題となったのは、現有のカッターミキサーによる生産量が少ない点と、製造に必要な工程の多くが手作業で行われていた点である。追い茎本わさびの主原料混合作業に使用しているカッターミキサーは、本来ならば1時間で25kg生産できるが実際の歩止まりは15kg程度であり、生産量が少なく工程上のボトルネックとなっていた。製造した追い茎本わさびを充填機へ投入する作業、そこからチューブに詰める充填作業をすべて手作業で行っていたことから1時間で40チューブしか製造できず、生産が追い付かなくなり欠品状態が続いた。充填作業についても、作業員の感覚に依存するため、一部の熟練作業員に頼らざるを得ず、また軽量誤差を超えた場合には容量調整など無駄な作業を生む原因となっていた。さらに、わさび特有の強いにおい等を長時間浴びることで一部作業員に相当な肉体的負担がかかっていた。商品化された「追い茎本わさび」これらの課題を解決するため、3種類の機械を新規に導入した。カッターミキサーが新しくなったことで、従前の2倍以上の生産量となった。充填機への投入作業は、これまで作業員が運搬していたところに移送ポンプを導入したことで自動化に成功し、作業員の負担が軽減した。チューブへの充填作業については、充填機を導入し作業工程が半自動化が実現したことで作業時間が1/3に短縮され、1時間当たりで110チューブの製造が可能になった。さらに計量誤差の発生による容量調整といった無駄な作業も削減された。本事業に取り組んだことで、生産能力が大幅に強化されただけでなく、作業員の労働環境も改善された。同社では、毎月最低1つ以上の新商品を企画するなど精力的に商品開発を進めるほか、静岡県内のみならず全国版のテレビ出演などメディアへの露出も積極的に取り組んでいる。わさびの固定観念を覆しつづける同社の取組みから今後も目が離せない。導入された充填機により、作業が半自動化された具体的な事業内容新商品「追い茎本わさび」は好評を博していたものの、製造に係る一部工程が手作業で行われていたことから量産ができず、欠品状態が続いていた。そこで、各工程に新規設備を導入して半自動化することで、製造時間を短縮するとともに、作業環境の改善を通じて生産性の向上を目指した。製造工程の課題を検証新規機械の導入により解決を図る取り組みの内容生産能力の大幅改善新商品開発の挑戦は続く結  果ものづくり補助事業 成果事例 3

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