ものづくり補助事業 成果事例集 補助金事業
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3同社は、射出成形して製造したコネクタについて、一定数の在庫をためてから「目視」による検査を実施していた。目視であるがために検査に時間が掛かり、従業員だけでは手が足りず、一部を外注するなど検査コストが増加していた。また、品質について明確な基準を設けていたものの、人間の目では限界があり、ヒューマンエラーによって品質にばらつきが生じていた。この検査工程は、同社の生産におけるボトルネックであり、納期・価格を維持しつつ顧客が求める品質に応えるためには、同工程の改善が必須であった。こうした背景から、本事業を活用して「検査装置の導入による工程の自動化」に取り組んだ。検査装置の機能・性能について設備メーカーと協議を重ね、コネクタ6面画像検査装置を導入。同装置は、超深度カメラを搭載しており、対象物全体にピントを合わせるとともに、斜めの角度から撮影することで、より人の目に近い検査を行うことが可能となった。検査装置によって不良品が選別される新たな設備の導入により、射出成形後の部品を即時に検査装置にかけることができるようになり、検査待ちの在庫が大きく減少した。これにより、出荷までにかかるリードタイムは、1日から0.5日まで短縮した。また、装置によって検査工程が自動化されたことで、傷の見落としなど目視によってこれまで発生していたヒューマンエラーはなくなった。引き続きデータを蓄積していくことで判別精度が向上し、不良品の見逃しは0となる見通しが立った。さらに、外注の削減や自動化によって生じた余剰人員を他の製造工程に配置転換することが可能になるなど、企業の生産性の向上につながった。補助事業終了後、同社ではコネクタ以外の複数の製品に対応できる改良型の検査装置を導入。検査体制のさらなる強化によって顧客ニーズに対応した生産体制を構築できた。今後は、射出成形から検査までの一貫した自動化に取り組み、企業の優位性を高めていく。製品の検査装置への送り工程具体的な事業内容同社のボトルネックとなっていた製品の検査工程を改善すべく、検査装置を導入し、工程の自動化に取り組んだ。従来の目視によって生じる不良品をなくすとともに、製品の滞留時間を削減することでリードタイムを短縮。さらに、外注の削減や自動化によって生じた余剰人員の配置転換を可能とし、企業の生産性を向上させた。技術的課題を解決する検査装置の選定・検証取り組みの内容判別精度の劇的な改善さらなる効率化への着手結  果ものづくり補助事業 成果事例 1

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