ものづくり補助事業 成果事例集 補助金事業
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19事業に取り組むにあたって同社で課題となったのは、製造に必要な加工の難度に対して設備が最適化されていないという点である。同社は木工製品の企画開発・加工や製品のデザイン設計から販売までを一貫して手掛けている。そのため、競合他社と比較すると納期面やコスト面における優位性を確保しているが、同社商品の肝となる加工を行うことができる設備が1台しかなく、取引先からの納品数の拡大要求に応えられなくなりつつあった。また、現在この加工を行っている機械は工具を1つしか搭載できない構造となっているため、加工の種類ごとにドリル等の機材の取り替えをしなくてはならず、業務に遅延が生じる原因となっていた。こうした課題を解決し、取引先や新規顧客の要望に応えるべく、新たに複合ボーリングマシンを導入し、本事業「デザイン性と収納性に優れた木工製品製造における生産能力増強計画」を実施した。好評を博している同社製品社内での検討を経て複合ボーリングマシンを導入したことで、既存生産ラインに加えて機材取り替えが不要の新規生産ラインを増設することに成功した。これにより、導入前と比較して生産能力が強化されることになり、取引先からの要望への対応力が大幅に向上した。また、今回導入した複合ボーリングマシンは工具を12種セットすることができ、予めデータを入力することでそれに従い自動で工具の入れ替え、加工を行う仕様である。この機能により、一部の熟練技能者への負担が軽減され、経験の浅い若手や新入社員にも技術が伝えられるようになり、木材加工未経験者の雇用促進にもつながった。本事業により対外的な信用が高まり、新たなジャンルの製品開発にも取り組み始めた。「今後も積極的に設備投資を行い、自社の魅力を強化していきたい」と水野社長は語る。同社の取り組みに引き続き注目していきたい。導入した複合ボーリングマシン具体的な事業内容天然木の自然の美しさやぬくもりとデザイン性や収納性を兼ね備えた自動車内装設備が好評を博している株式会社プロダックス。取引先からの納品数拡大や新規案件の打診に対応するべく、生産能力を強化し技術的優位性の確保を図った。新規設備の導入により生産能力強化を図る取り組みの内容生産能力の大幅な向上さらなる受注拡大を目指す結  果ものづくり補助事業 成果事例 9

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