静岡牛乳協同組合
 効率的かつ衛生的な乳業工場を共同で整備
〒421−1221
静岡市牧ヶ谷1871
理事長  大庭 圭壹
組合員 6名
  出資金 15,000千円
TEL 054−276−0400

FAX 054−278−4500





▲清潔で近代的な組合施設り

国際競争・安全管理への対応

 牛乳配達の自転車の荷台で、ガチャガチャとふれあう牛乳ビンの音が、早朝の町の風物詩だった頃から、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの定番商品となった今日まで、牛乳は自然健康食品の代名詞として消費者に親しまれている。
 牛乳を製造する乳業者には、全国展開している大手の他に、地域の酪農や消費者と深いつながりを持つ企業として存在し、地域で生産された生乳を処理して、地域の家庭や学校へ安全で良質な牛乳を提供している多くの中小乳業者がいる。


▲厳しい製品検査でOKが出た牛乳を
 きれいに洗浄殺菌をしたビンに詰め、
 ふたをして完成。




 近年、酪乳業界はWTO農業交渉の乳製品関税引下げの動向や品質管理、衛生管理としてのHACCP導入等大きな課題を抱え、特に中小乳業者には再編・合理化を進め経営体質の強化を図ることが求められてきた。
 そこで平成十年三月、老朽化した各社の既存工場を廃止し、集約化による効率的かつ衛生的な共同工場を整備すべく、県内の中小乳業メーカー四社により組合を設立した。



目標を大きく上回る実績

  共同工場の建設には国(農畜産業振興事業団)の『乳業施設再編合理化対策事業』の「効率的乳業施設整備事業」(三分の一補助)を活用。投資額は建物と機械設備を合わせ九億円余。
平成十一年三月に工場が完成し生産を開始した。爾来、冨士山麓朝霧高原の搾りたての新鮮な生乳を、各工程における念入りな検査と食品メーカーとしての責任を具体化した生産システムで製造、出荷。当初の目標を大きく上回る実績を上げている。
 組合事業は生乳の共同加工とそれに付随した学校給食牛乳の共同販売、生乳の共同購入である。当初の処理量の目標は工場稼動後四年の現時点では約五千五百トン。それが実態は一万トンに達している。大庭理事長は「組合員は元々、各々の地域で家庭や学校に新鮮で安全な牛乳を提供し信頼されてきた。それが更に最新設備を誇る工場で、顧客のニーズにあった商品を生産し、営業に力を入れてきた結果ではないだろうか」と語る。 
 一万トンの内訳はスーパーマーケットなど量販店七割、宅配・学校給食・病院などが三割。
ちなみに学校給食は静岡、焼津、沼津、熱海で約五十校の小中学校に年間五百五十万パックの牛乳を届けている。


中小企業静岡(2003年 7月号 No.596)