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平成12年度 組合設立白書



社労士らによる組合も

 (協)静岡人事労務研究機構と(協)静岡年金実務二一は社会保険労務士らによる組合。それぞれ連携して年金、労務管理、社会保険などのコンサルタント部門の強化を図っている。
 社労士も現状では、申請書類等の作成事務、提出代行業務などに時間が充てられる部分が多いが、コンピュータ化が進めば、縮小されていくとの危機感もあるようだ。一方で、当然ながらITは販路開拓などの面で中小企業を後押しする。沼津ひもの職人センター(協)のような干物作りの職人集団も販売推進策としてITを戦略の中に据えている。



主要事業(設立目的)
…半数は共同受注事業。
 規制緩和など法改正の影響も多大。
組合員の業種
…サービス業関連が高い伸び。

組合員数

…平均26.8人。
 共同受注など明確な事業目的のもとに少人数が結束。

出資金
…平均222万円。
 しかし、3分の2の組合は150万円以下。

※グラフ上の数字は組合数:計25組合



福祉ビジネスも本格化

 十二年度の新しい動きとしては、二つの介護・福祉にかかる企業組合ができたことがあげられる。平成十二年四月の介護保険制度スタートを契機に、福祉ビジネスに対する関心は一層高まった。
 県下では初めての介護サービス組合として焼津で誕生した(企)ゆうあいは、ホームヘルパー有資格者など十一名で、介護支援・訪問介護事業などを展開。続く、えんの会(企)は韮山町でデイサービスを中心にボランティアで培った経験や資格を生かしている。メンバーは女性六人、男性一人。ボランティア主婦の創業へ向けての組織化となる。
 「介護保険住宅リフォーム」の受注を目指す(協)志太介護保険住宅リフォームセンター、年金設計をコンサルタントする(協)静岡年金実務二一など高齢化・福祉関連市場にかかる設立も多い。
 リサイクル、廃棄物処理事業を行う新設組合はなかったが、数件が継続相談中。採算性、周辺住民の反対、法基準などクリアすべき点は多く慎重な検討が繰り返されている。家電、食品のリサイクル法など環境関連法への対応を含め、これからの設立相談も増えそうだ。



続く中小企業の挑戦

 主要事業、組合員数、業種、出資金の項目別については「データ」欄に掲載した。また、設備投資を伴う事業を行う組合の設立がなかった点も留意を要する。
 それは新設組合にとどまらず、長引く景気低迷のなかで、新規投資などを極力控え、現有資産をいかに有効活用していくかを模索しているようにもみえる。
 その資産とは資金面だけでなく、蓄積したノウハウであり、人財であり、経営者間、組合員間の信用力や培ってきた組織力、そして何より“中小企業スピリット”ともいえる挑戦心なのかもしれない。


中小企業静岡(2001年 6月号 No.571)