総意で誕生した新手形交換所に期待

 先般、「新静岡手形交換所」が、静岡、浜松、沼津、清水、富士、掛川の六つの交換所を統合して新たに発足した。
 この新交換所には、県内外の七二の金融機関(千五百三十三店舗)が参加。一日当りの交換枚数は三万枚を超え、金額では四三〇億円にのぼるなど、全国でも五番目の規模になるといわれている。
 手形交換所の統合は全国的な動きで、東京都、大阪府、愛知県など主要都市などで進んでいる。
 本会では昭和五八年の二九回県大会で静岡、清水の交換所統合を要請決議した。そして県内交換所の一本化を平成八年五月、県商工会議所連合会、県商工会連合会そして私共中央会が、商工三団体の総意として銀行協会をはじめ関係機関に要望した。
 その結果、静岡銀行協会では、統合準備会をつくり、この二年間検討を積み重ね、各交換所との調整を図りいち早く発足にこぎつけてくれた。
 金融機関にとっては、手数料収入の減少や搬入コストの増加などの新たな問題もあり、その実施までには相当なご苦労があったと聞いている。まことに感謝にたえないところである。
 かたや企業にとっては、手数料の軽減、手形決済の短縮化など、そのメリットは計り知れない。
 そして何よりも、これにより金融システムの中核機能でもある決済制度の迅速化、安定化、効率化が図られ、県内経済の活性化にもつながる。
 本格的な金融ビックバン時代を迎え、今回の手形交換所の統合は時宜を得たものであり、その意義はまことに大きい。
 交換所一本化は、本会においても強く念願し要望してきただけに、その実現を心から喜ぶと同時に、改めて関係金融機関に深く感謝し、併せてこれからの交換所の果たす役割に大いに期待したい。

静岡県中小企業団体中央会・会長

中小企業静岡(1998年 4月号 No.533)