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理事長王道学-つづき2

指導者に必要なものは何か
 組合理事長に求められるものとは何か。この特集のメインテーマである。
 ここでは、以下に示す13の選択肢をかかげ、この中から3項目を上限として選択をお願いした。
1.率先垂範・チャレンジ精神
2.ワンマン経営的要素
3.明確なビジョンの提示
4.組合員や他の理事との協調
5.決断力・実行力
6.対外的な交渉力
7.説得力・表現力
8.情報収集力(活用能力)
9.人格(信頼性)
10.社会的経験(業界内の経歴等)
11企業内に後継者あり
12健康であること
13.その他

 いずれの項目も、リーダーにとっては必要なものであると同時に、選択項目それぞれの相乗効果によって、理想とするリーダー像が作り上げられる。したがって、回答者は大いに迷われたのではないだろうか。
 こうした中で出てきた結果は、第1位が「決断力・実行力」と「明確なビジョンの提示」(17%)、そして3位が「組合員や他の理事との協調」(16%)であった。そして「健康であること」(12%)がこれに続いた。
 さらにこの集計結果を、理事長在職年数が1〜4年未満と14年以上の回答者に分けてみると、在職年数が浅い理事長は、「明確なビジョンの提示」と「組合員や他の理事との協調」に意見が集中したのに対して、14年以上というベテラン理事長は、「決断力・実行力」「説得力・表現力」を多く選択したという結果が得られた。
 これは、経験を積むにしたがって、より高いリーダーシップの中で組合運営に取り組もうということから導き出した結果であるともいえる。
◆グラフ-2

組合員の意識を束ねることの難しさ
 大きな転換期を迎えた中で、理事長を務めるうえでネックになっている点は何かを尋ねた。
 その結果を見ると、第1位にあがったのが「組合員の意識を束ねることが困難」(26%)。
 過去の組合運営に関する調査をみても、上位に顔を出す項目である。
 これに関連して「組合員の意識格差から明確なビジョンを立てにくい」という項目が21%と第2位を占め、視点の違う組合員の意識を、どのように組合のビジョンに反映させるかということについて困難を感じている様子がうかがえた。
◆グラフ-3

 またこの設問にあわせて、具体的に何らかの対応策を講じているかコメントを求めたところ、「将来ビジョンのもと明確な理事長方針を立て、そのうえで機能的運営組織を作り、権限を一部移譲し、報告・指示を徹底させている」という理事長の指導性に基づいて機能的組織を構築しているというものや、「組合員や事務局との対談の機会を努めて持つようにしている」というように、情報収集に力を入れているといった意見が出された。
 このようにコメントの多くが、組合員への意識調査や委員会組織などで情報を収集しながら、理事長の指導性を発揮していくことで、諸問題に取り組もうというものだった。

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 中小企業静岡(1997年09月号 No.526)
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