静岡県中小企業団体中央会Shizuoka Prefectural Federation of Small Business Associations. |
昭和43年10月1日 |
CHUOKAI MONTHLY 2008 August No.657 産業の連携による地域活性化を目指して産業の垣根を越える本年度から農商工等連携事業がスタートする。目的は従来の産業の枠を超え、中小企業者が農林漁業者と有機的に連携し、新商品の開発や販路開拓を促進することである。 中国野菜の問題等、食の安全性が問われている昨今、国産品への意識は高く、市場拡大、未利用資源の有効活用など連携による効果は大きく期待されるものである。 静岡県は年間を通して気候が温暖で、豊かな自然に囲まれ、天然資源が豊富なばかりではなく、工業など生産高も全国上位で、産業構造のバランスのとれた県であるといえる。 農商工等連携により、農産物等の新商品開発、全国的な販路の拡大は、生産者の励みになり、産業の垣根を越えた地域の活性化に繋がるものと思われる。 自主開発による事例本会では、これまでの組織指導の中でも、農林漁業者との連携を行ってきた。 旧天城湯ヶ島町にある「企業組合竹の子かあさん」は地元農家の主婦が地域特産品開発をきっかけに、直営店を開業。昭和の森会館駐車場にある店で、人気の高い「しいたけコロッケ」を始め多くの商品を製造販売している。常に改善を考え、現在、デザイナーの指導を受け、売上げを伸ばしている。 旧中川根町にあるニートリィは、地元の農家の主婦たちが地域に豊富にあるヘチマ水を利用し、化粧品メーカーと連携し化粧品を製造。地域の拠点となる販売店「四季の里」を中心にインターネット販売を行い、成果を挙げた。 まだ多くの組織はある。各々の組織は自主活動により商品開発から販売まで、多くの時間と労働力を費やし事業を進めてきた。起こりえた様々な問題も、構成員の高い意識で解決を図り成果を挙げている。 地域の抱える問題しかしながら、農産物の生産を支える県内の多くの市町では高齢化が進んでいる。平成20年度高齢者福祉行政の基礎調査をみると65歳以上の人口比率は農業比率が高い市町ほど高く、39.5%の本川根町をはじめ30%前後の市町が目立ってきている。 地域を支える労働力の年齢は高く、限界があるのは事実である。 しかし今こそ意識を高く持たせ、県が行っている「一社一村しずおか運動」など、交流による組織を形成させ、集団の力で解決を図ることこそ大事である。 農林漁業と関係ない団塊の世代など、現代は、知識、技術など完成度の高い熟年世代の創成期と言える。熟年世代のノウハウの活用、さらに、遊休施設の有効利用や公的研究機関などとの連携。結びつけば大きな力になるものがまだまだあると思われる。 中央会は多くの機関と連携を図りながら、夫々を有機的に結びつけ、知識を融合させ、豊かな地域づくりを進める役割がある。 行動こそが不可能を可能にする。限界を意識せずに取り組むことを自分は活動の基本としたい。 (大村)
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